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吸血鬼になったエミヤ
043話 学園祭編 シホとアルの試合
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…見る人が見れば分かるであろうパクティオーカードを取り出して、次の瞬間にはアルの周りを何冊もの本が出現して浮遊している。
見学していたネギはアーティファクト!?と驚いた顔をしていて、アスナや刹那など関係者一同も同様に驚いていた。
そんな中でそのカードの能力を知っていたタカミチは、

「(ああ……貴方だったんですね。アル……)」

驚愕と同時にシホとの親しそうなやり取りにも納得の実感を得た。
そして、あとでじっくりと話し合わないとな……と今後の予定を作る算段を脳内で考えていた。

「来たわね……ッ!でも、いいの?これは一般人も見ているのよ?」
「こういった舞台では目立つ方が逆に気づかれにくいものなんですよ……?では、いきます」

アルは一冊の本を手に取り、一つの栞をその手に取った本を開いて差し込み、次にはスライドさせるように思い切り栞を引き抜く。
瞬間、噴き出す大量の白い煙は舞台上を外から見えない様に覆い隠す。

『わぷっ!? 突然の大量の煙は一体何なのでしょう!? 両者の姿が覆い隠されて見えません! これもなにかの演出か!?』

朝倉もさすがに魔法関係を大っぴらにできない事は分かっているために言葉を選んで『演出』という単語を使い、一般人に納得してもらえるように努めている。







…………………


煙の中では、シホと相対しているのは2メートルはあるであろう身長、褐色肌で白髪の巨漢の男であった。

「……んだ? 俺様を使うとはな……相手は……?……ッ!?」

巨漢の男は鋭い眼光をシホに向けた。
途端、くわっと目を見開いて同時に男はいくつもの感情を呼び起こされていき、自身が幻でなければ盛大にシホの事を抱きしめに行っていただろう、だが……幻故に葛藤し、そしてすぐにその感情はあまりに自分らしくないととどまってぐっとその思いを飲み込み目を瞑る、一瞬のあとに目を開きいつも通りの余裕そうな笑みを浮かべながら、

「……よお、シホ。久しぶりじゃねーか。生きていたんだな……」
「……ええ。ラカン」

そう、その男こそ赤き翼で活躍した英雄の一人。
その名は『ジャック・ラカン』。
そして『千の刃のラカン』の異名を持つシホのかつての戦友だ。

シホもシホで懐かしい気持ちになっていたが、それはさておき、

「分かっていると思うけど……」
「ああ。俺は幻だ。だがな、幻でもてめぇに一泡吹かせてぇ。幻だからアーティファクトを使えねぇのが残念だが……いくぜ?」
「わかったわ」

シホも無詠唱で錬鉄魔法を身に纏って構える。

「「…………」」

二人は無言で構えをして睨み合いを続けて、同時に地面が爆ぜた。
シホとラカンの顔は第三者が見れば実に楽しそうだろうと感想を漏らすほどであった
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