043話 学園祭編 シホとアルの試合
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せんでした」
「それにしては楽しそうね、ア「クウネルです」……クウネル」
「はい。それはもう昔を思い出す気持ちですね」
「そう……」
『両者、先ほどの事がなにごともなかったかのように平然と会話をしています。これは一体…?それよりクウネル選手が舞台に戻ってきましたので試合再開!』
朝倉の再開の合図とともに、アルが先に動いた。
先ほどのシホのやり返しなのか一瞬でシホの背後を取る、が…シホも虎竹刀を背後に持っていきアルの掌底打ちをガードする。
「さて……それでは少しばかりギアを上げていきましょうか」
「ええ!」
それから二人は瞬動術の枠に収まっていないほどの瞬間的な移動を繰り返してあちこちで打撃音が響く。
その戦闘風景を魅せられて会場の観戦者達のボルテージは否応なしに上がっていく。
一回戦での小太郎達の戦いは一瞬で終わったためにそんなに楽しめずに、二回戦目では最初はただの中学生少女と怪しい長身のフードの男というだけで色物か?と思われたがその評価はいい意味で覆されている。
観客席で見ていた士郎とイリヤは目を輝かせながら、
「シホの姉ちゃんすげー!」
「すごいねシホお姉ちゃん!ね、お母様」
「え、ええ……」
純粋に楽しんで観戦している士郎とイリヤだったが、アイリはその戦闘能力の高いシホの光景を見て悩んでいた。
「(あれほどの力を手にするまでにあの子はどんな苦悩を味わったのかしら……異世界での話も聞かされたから純粋に楽しめていないわね…)」
「アイリ。君の気持ちは分かるよ」
「あなた……」
「シホはね。たぶん過去に色々あってああなってしまったんだけど、でももう過去は変えられない。だから今のあの子の現実を受け止めて、そして応援してやろうじゃないか」
「そうね、キリツグ……」
想いに耽る二人をよそに戦闘は激化していく。
本気を出せば舞台を軽々と破壊できるシホとアルではあるが、いまは一般人も見ている純粋な表舞台での試合。
ゆえに両者は実力も高いだけに決め手に欠けていた。
実際、ダメージが通ると判断したアルはシホの攻撃を避ける戦法を取っており、大っぴらに魔法を使えないために決め手は少なく、対するシホも投影魔術やその他兵装を使えないために(使おうと思えば無詠唱で錬鉄魔法は行使できる)やはり決め手を欠いていた。
残り時間も五分を切った頃合いだろうか?二人は一回肉薄した後に互いに距離を取って息を整えながら、
「フフフ……楽しいですね。ですが決め手が少ないのもいただけません」
「そうね。それで…?どうするの?」
「ですから…………―――――『彼ら』の力を借りる事にします」
その『彼ら』という単語がアルの口から出た途端、シホは最大限の警戒をする。
そしてアルは懐から一枚のカード…
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