043話 学園祭編 シホとアルの試合
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朝倉の試合開始の合図とともにシホは足に履いているあるものに力を込める。
それは学祭準備期間中に学園長に呼び出されて集まった集会時に春日美空によって譲られた脚力を強化する靴タイプのアーティファクト……美空本人曰く、『加速装置』。
それを履いていたシホは、瞬動術も駆使してただの一般人には知覚できないほどの一瞬でアルに肉薄して虎竹刀を瞬間的な加速も込めた威力を以てして胴に叩きこんだ。
「ッ!?」
それにはさすがのアルも対応し切れなかったのか、はたまた久方ぶりの本体にまで届く攻撃を喰らったためか、さながらダンプカーに撥ねられたかの如く吹き飛び池に着水してそれはもうでかい水しぶきを上げて沈んでいた。
『おおーっと!?シュバインオーグ選手のとっても速い動きとともに放たれた胴薙ぎが炸裂してクウネル・サンダース選手が池に沈んだーーーーッ!!』
朝倉の実況とともにシホは一瞬の技後硬直もものともせずにすぐさまに態勢を整えて油断せずに構えていた。
そんなシホの勝負を見ていたエヴァはニヤッと笑みを浮かべながら、
「(ククク……あのアルの一瞬の驚愕の表情を見れただけでも私としては満足なのだがな…さて、すり抜ける筈の体に攻撃が貫通されると分かった奴はシホに対してどういったなにかを仕掛けてくるかな…?)」
まだ池から顔を出さないアルに対してなにかしらのことをしてくるだろうと睨んでいるエヴァ。
しかし、一方でアルの事を知らない他の面子はシホの容赦なき攻撃に汗を垂らしながら状況を見守っている。
「シホさん……その、すごいんですけど相手の方はただの武闘家さんなのではないでしょうか…?」
「いや、兄貴。シホの姉さんがあそこまで容赦しないんすからやっぱり関係者で知り合いの線が高くないっスか?」
「そうなのかな?カモ君…」
ネギは相手のアルの事を心配していて、
「アカン……武者震いがしてきたで。シホの姉貴と次戦うんは俺やから覚悟せんとな!」
ネギの隣では小太郎がもうすでに武者震いをしてシホと戦えることの楽しみで体を大いにわなわなと震わせていた。
そんな中で池に沈んでいようと朝倉はカウントを開始する。
『えっと……池から上がってきませんがルールですのでカウントさせていただきます』
1…!2…!とカウントしていく朝倉。
だが、次の瞬間には舞台の上に一瞬でアルがダメージを見せない余裕そうな笑みを浮かべながら瞬間移動のごとく戻ってきた。
それにはさすがの会場もどよめきとともにアルに視線が向けられる。
アルはそんな視線など感じていないのか、いや…はなからシホしか見ていないのか気にしていないのだろう。シホに話しかける。
「いや……さすがですね。まさかダメージを貰うとは思っていま
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