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ペルソナ3 異界の虚影
後編
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二重掛けでなんとか防ぎきることができたらしい。
幾月との戦いで、『彼』が障壁を張って攻撃を防いだのが頭にあったのだが、先ほどのメギドラオンといい、こういうところで息が合うのは同じ役割を担う者同士だからだろうか。私は『彼』と顔を見合わせると、ほっと溜息を吐いた。
「間一髪だったな。さすがに冷や汗をかいた。」
さすがの真田さんも尻もちをついたまま力なく声を漏らした。
「敵も苦し紛れで捨て身だったということか・・・。」
美鶴さんは考え深げにつぶやいた
気づけば周りのゆがんだ空間はいつの間にか消え去り、そこは見慣れた学生寮の3階スペースに戻っていた。
私たちはそのまましばらく、呆然と床に座り込んでいた。
「みんな大丈夫?」
ゆかり の声がする。
1階に残っていたメンバーが階段を上ってきた。
「なんとか・・・。」
『彼』が答える。
上ってきたメンバーは、私たちを見てほっとした表情浮かべる。
「ものすごい衝撃だったから心配したよ〜。」
そう言った ゆかり が、『彼』に熱い視線を注いでいるのを見て、私は「おや?」と思った。
その私のところには天田君が駆けてきて、「良かった。無事で・・・。」と手を差し伸べてくれる。
「ありがとう、大丈夫。」
私はその手を取って立ち上がった。
涙目になっていた彼は、袖でごしごしと顔をぬぐった。
「心配かけてごめんね。」
私は天田君に優しく声をかけた。
「なんにせよ、とりあえずこれで終わりのようだな。」
そう言って美鶴さんも立ち上がる。
みんながうなずき、笑顔を見せた。
そこに澄んだ声が聞こえてきた。
「皆様、お疲れ様でした。」
ゆかり たちの後に続いて、エリザベスさんが階段を上がってきていた。
「実に見事な活躍でございました。」
エリザベスさんはそう言って深々と頭を下げた。
「今回の事態は、ニュクスの眷属であるモノが、本来のコトワリから逸脱した方法で皆様方を排除しようとしたことでした。しかしいかに神を名乗るモノとしても、コトワリに反する行為を行えば、それに伴う反作用というものが生じます。今回、皆様に起きた異変はこの反作用による影響かと思われます。
皆様は無事に障害を乗り越え、己の心に打ち勝ち、その力を示しました。わたくし、大変感銘を受けました。」
そこで一度言葉を切り、ゆっくりと全員の顔を見回す。
「これでもう、ニュクスとの決戦に水を差す輩が現れることはないでしょう。
たとえ記憶に残すことができなくても、今回の経験は皆様にとっては大きな力となるはずです。是非、憂うことなく決戦に挑んでください。」
いつになく力のこもったエリザベスさんの声に、みんな言葉もなく聞き入っていた。
「さて、それでは皆様、現実の世界にお戻りになる時間です。」
ひと呼吸おいてから、エリザベスが高らか
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