後編
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頑張って。』
風花の必死な励ましの声に力を得て、私は何とか上体を起こす。そして薙刀《なぎなた》を握りしめ、それを杖にして震える足で立ち上がろうとする。
「大丈夫?」
『彼』が心配そうに声をかけてきた。
片目が隠れんばかりに前髪が長い。繊細で整った顔立ちをしている。
「わかんない・・・でもこんなところで負けられない。」
私はかすれた声で答える。
彼はうなずくと、私に肩を貸して支えてくれた。
怪物も身を起こして、再度 私達に迫って来る。
「よし、一気に決めよう。ゴッドハンドだ。」
彼のささやきに私はうなずいた。
「ペルソナ!」
私たちの声がハモる。
現れたスサノオとヴィシュヌ。荒ぶる神々から連続で放たれるゴッドハンド。
不死身のように思われた怪物だったが、実際にはこれまでの私たちの攻撃でかなりのダメージを負っていたのだろう。
巨大な拳はついに敵を粉砕した。
「おかげでなんとか痺れが取れてきたよ。」
『彼』に回復魔法をかけてもらった後、私は手足を振って確認しながら言った。
「上の階に行けそう?」
『彼』は言葉数こそ少ないが、気遣ってくれているのは充分にわかった。
「うん、大丈夫。こんなこと早く終わらせないとね。」
『彼』は口元にかすかな笑みを浮かべてうなずく。
「君って、なんだか物静かな雰囲気だよね。クールな感じ?」
「そう?」
「私はにぎやかな性格だって言われててさ〜。荒垣さんにもよくあきれられてた。」
ふと、「まったくお前は・・・」と言いながら苦笑する荒垣さんの顔が頭に浮び、胸がチクンと痛んだ。
『彼』が私で、私が『彼』。なのに、なんだか私とは随分違う気がする。
「私たちって『同じキャラの性別を変えたバージョン』じゃなくて、完全に別人だよね。他のみんなはどっちの世界でも同じなのに、なんで私たちだけこんなに違うんだろう。イゴールさんは『意味のないことはない』と言ってたけど、じゃあどういう意味があるのかなって・・・。」
私はイゴールさんの話を聞いてからずっと心にひっかかっていたことを口に出した。こんなことを相談できるのは、同じ立場にある『彼』しかいない。
『彼』は少し考えてから静かに答えた。
「それは僕も考えてたんだけど・・・世界が救われる可能性を上げるためじゃないのかな。」
「それって、私のいる世界と君のいる世界。どちらか一方だけでも勝ち残れればっていうこと? 私と君が別の選択をすることで、勝てる可能性が変わるっていうことなの?」
思わず声のトーンが上がる。片方は滅びてもしかたない・・・なんて、そんなのは嫌だ。それにその場合、もし私のいる世界が滅びたら、私の責任っていうことになるんじゃないだろうか。
「いや、そうじゃなくて・・・多分 僕らが戦っている相手は、それぞれの世界に別々に存在しているの
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