暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga32彼の今〜Side Asgard〜
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球の黒目がパチッと合った。その瞬間、眼球は光粒子となって彼の左目に吸い込まれ、頭の中に見知らぬ青年や女性の姿が順々に浮かび上がっていく。
――とても残念だよ、ルシル。もう二度と逢えないなんて――
――寂しいよ、ルシル――
――良い旅を、ルシル――
――ルシル君。今日までありがとう。ルシル君と一緒に過ごせたことは、私の誇りだよ――
――ルシルには何度も助けられた! だから、その! いろいろとありがとう!の気持ち!――
――私もね、ルシルに目一杯のお礼を言いたいんだよ!――
――あたしも、アンタにいろいろとお礼を言いたいのよ――
――私も、〇〇〇ちゃんとおんなじだよ、ルシル君――
――こんなに人を好きになったことないし、これからもずっと、わたしはあなたを想い続けるから――
――ルシルさん。お疲れさまでした。良い旅路を――
――体温が無くてもルシル君の大きな手や。こうして触れられることが出来て、私は嬉しいよ――
(なんだこれは・・・? 記憶? だが、こんな連中、私は知らないぞ・・・)
――ルシル君と離れたくない! 明日からホンマにルシル君が居らん世界なんて・・・悲しい、寂しい・・・!――
――俺も○○〇達と一緒に居られなくなるのは悲しいし寂しいよ――
ルシリオンはある1人の女性の感情に特に引き摺られ、彼自身も涙をボロボロと流し始めた。フェンリルがその様子に驚き、心配する声を掛けているようだが、ルシリオンは頭の中に浮かび上がる女性の顔、声に集中していて気付いていない。
――ルシル君と過ごした十数年はあまりにも濃くて、大切で愛おしい時間やった――
――ごめんな。困らせて・・・。私ばかり我がまま言うてごめんな・・・――
――我儘なものか。困ってもいない。再確認できたよ。君たちのことを忘れるものか、とね――
――・・・〇〇〇。これまでありがとう。どうか幸せに、元気で――
――ルシル君も、これまでホンマにおおきにな。ルシル君と出会えて、恋をして、好きになって良かったって心から思う。・・・どうかお元気で――
(お前の・・・君の・・・名前は・・・!?)
――俺もはやてに出会えて幸せだったよ。ありがとう――
「ハヤテ・・・? はやて!!」
その瞬間、八神はやて達と過ごした時間だけだが、ルシリオンは“テスタメント”時代の記憶を思い出した。
ゼスト・グランガイツの隊と共にプライソンの秘密研究所へと乗り込み、“エグリゴリ”のレーゼフェアとフィヨルツェンに敗れた際、ルシリオンは左目の視力を失った。その理由がこれだった。
マリアは予想していたのだ。人間に戻る際、もしかすると記憶が消されるのかもしれないと。そのためにルシリオンから独立しながらも彼
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