第三百三十話 年越し蕎麦その十
[8]前話 [2]次話
「東京だって」
「その様にですね」
「お話してました」
「やはりあちらの方はそうなりますね」
「そうですね、永井さんは料理上手で評判ですが」
料理部で鉄人と言われている程だ。
「味付けは」
「あちらですね」
「お蕎麦は特に」
「やはりそれぞれの地域がありますね」
「お蕎麦にしても」
「そうですね、ですが私は」
畑中さんにしてみればだ。
「関西の味です」
「お蕎麦も」
「左様です」
「そうなりますね」
「小野さんの味は関西ですね」
「ですね、完全に」
僕もわかることだ。
「八条学園の食堂もですし」
「名古屋や関東の味を再現していても」
名古屋だとお味噌それも八丁味噌だ。
「その味はです」
「違うってそれぞれの地域の人が言いますね」
「左様ですね」
「かなり再現していても」
それでもというのだ。
「微妙に違うと」
「そう言われますね」
「はい」
これがだ。
「関西の味だって」
「やはりそれはです」
「関西だからですね、ここが」
「それが出ます」
そうなってしまうというのだ。
「その地域の味を再現しても」
「地元の味がですね」
「出ますので」
それでだ。
「仕方ないです」
「そうですね、豚骨ラーメンも」
細い麺にしてもだ。
「博多のものとはまた違う」
「神戸、関西ですと」
「そう言われますし」
九州の人達からはだ。
「どうしても」
「地域の差がですね」
「ありますね」
「忠実に再現しましても」
それを目指して努力してもというのだ。
「やはり完全はです」
「他の地域ではですね」
「食べる人の好み、そして食文化という下地がです」
「あってですね」
「そこは難しいです」
「それは出ますね」
「左様です、ですが」
それでもとだ、畑中さんは僕にお話してくれた。
「かなり近付けることはです」
「出来ますね」
「そして美味しくはです」
「それも出来ますね」
「そうです、お料理は」
その味を完全に再現出来ずともというのだ。
「それが出来ます」
「そういうことですね」
「これはどんなお料理もで」
「お蕎麦もですね」
「そうです、ですが八条家ではお蕎麦は」
これはというと。
「関東の味を再現しようとは」
「それはないですね」
「左様ですね」
「もう完全にです」
このことはだ。
「関西のお蕎麦ですね」
「おつゆはそうですね」
温かいものもざるもだ。
「本当に」
「八条家の方も使用人の方も」
「どの人もですね」
「完全に関西人なので」
それでというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ