第二百十九話 四国分裂その八
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「糞爺でもな」
「腐りきってはいないから」
「まだいいな」
「そうなるわね」
「腐った林檎でもな」
俗に言われる言葉も出した。
「腐ってる部分を切るとな」
「それやと問題ないで」
美奈代も言ってきた。
「食べられるで」
「それでも全部腐ってるとな」
「アウトや」
「それでそんな奴はな」
「全部腐ってるわ」
「だから絶対にな」
「帝国やと用いへんな」
久志にこう返した。
「そしてやな」
「用いるどころかな」
「殺すな」
「そうしてやるさ」
久志自らというのだ。
「本当にな」
「そうするわね」
「外道、屑はな」
それこそというのだ。
「いらないさ」
「あの爺ちゃん位ね」
「用いることが出来るのはな」
それはというのだ。
「本当にな」
「本当にですね」
夕子も言ってきた。
「あの人位だと」
「まだな」
「用いられますね」
「ああ、けれどな」
「屑になると」
「問題外だよ」
「用いるどころか」
「消してやる」
「左様ですね」
「世の中生きていても仕方ないどころかな」
久志はさらに言った。
「それだけでな」
「害になる、ですね」
「そんな奴がいるからな」
残念ながら世の中そうした輩も存在している、生きているだけで害毒を垂れ流し迷惑を撒き散らす輩が。
「そうした奴はな」
「仕方ないですね」
「そんな風にはなりたくないな」
久志はこうも言った。
「人間な」
「生きていますと」
「ああ、屑にはな」
「なりたくないですね」
「自分はな」
「反面教師にすることですね」
「そうした奴はな、そうした奴が役に立つといえば」
それこそというのだ。
「そんなことしかないな」
「反面教師ですね」
「ああはなるまい」
「その様にですね」
「思うな」
実際にというのだ。
「俺は」
「残念なことですね」
夕子は久志の話を聞いて悲しい顔になって述べた。
「若しそうなったら」
「だよな、反面教師にしかなれなかったらな」
「これ以上はないまでに」
「残念だよな」
「はい」
本当にというのだ。
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