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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百二十九話 冬のお庭でその十三

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「います」
「それじゃあどうして」
「何故教会等にいるからですね」
「わからないですが」 
 僕は湯舟の中で言った。
「ちょっと」
「例えば立身出世で」
「ああ、それならですね」
「中世の教会ではそうでしたね」
「はい」
 僕はそれならと頷いた。
「そうした教皇もいましたね」
「当時は欧州最大の権力者でしたから」
「世俗にも力を持っていましたね」
「そうでしたので」
 中世最大の封建領主でもあった、教皇領に教会軍それに多くの寄進を受けて知識も情報も独占していたのだ。
「権力の為にです」
「聖職者になる人もですね」
「いました、日本では」
「流石にでしたね」
「そこまでの人は殆ど」
 いない訳ではなかったがというのだ。
「権力は求めていても」
「信仰もですね」
「ある人が殆どでした」
「権力はあっても」
 それでもだったのだ。
「それだけじゃなかったですね」
「よく言われる比叡山でも」
「そうでしたね」
「ですがバチカンは」
 中世のそちらはだ。
「もうです」
「信仰もなくて」
「キリストすら否定する人がです」
「教皇になったりですね」
「していました」
「無茶苦茶ですね」
「はい、こうした人もいましたし」
 畑中さんは僕にさらにお話してくれた。
「他にもです」
「そうした人がですね」
「いまして」
「今もですか」
「バチカンではないですが働かず」
「ああ、その人ですね」
 僕も心当たりがある人だ。
「恩知らずで尊大で図々しくて不平不満ばかりで努力しないで」
「そうした人で」
「それで、でしたね」
「奥さんに逃げられ借金も作って」
「家もなくして」
「ある宗教施設に厄介になりましたね」
「そこでも勉強なんてしないで」
 その宗教の教理をだ。
「それで、でしたね」
「はい、しかも」 
 それに加えてだ。
「そちらの教団の仕組みばかり文句を言って」
「それで、でしたね」
「信仰心なぞです」
「持たなかったですね」
「尊大に不平不満ばかり言う人で」
「そこにいても」
「しかもそうだったので」
 その教団の仕組みなんてどうでもいいだろうと思うのにだ、少なくとも僕にとってはそんなものだ。
「今ではです」
「そこにもいられなくなって」
「行方知れずです」
「誰からも見放されて」
「そうした人もいます」
「宗教関係者でもですね」
「信仰心を持たない人はいます」 
 実際にというのだ。
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