第三百二十九話 冬のお庭でその四
[8]前話 [2]次話
「大乗と小乗の違いもあって」
「タイは小乗なのよね」
「日本は大乗でね」
「その違いもあって」
「かなり違うわね」
「そうだね。日本の仏教は独自の発展を遂げたから」
飛鳥時代に入って現代に至るまでにだ。
「かなりね」
「違ってるわね」
「そうなんだ」
「そうよね、その違いも楽しみながらね」
そのうえでというのだ。
「行って来るわ」
「今夜はだね」
「そうしてくるわ」
「それじゃあその為に」
「暖かくしてね」
そうしてと答えてくれた。
「行って来るわ」
「そうしてね」
「お蕎麦食べて厚着して」
「カイロもかな」
「持って行くわ、それで二人で行って来るわ」
こう僕に話してくれた、そしてだった。
ラブポーンさんとも別れた、僕は今度は厩の方に行って馬を見ようと思ったがそちらにはイタワッチさんがいた。
イタワッチさんは僕が来るとこう言ってきた。
「馬って寒くないのかしら」
「ああ、大丈夫だよ」
「そうなの」
「元々寒さに強いからね」
そうした生きものだからだ。
「この冬でもね」
「寒くないのね」
「厩にいてもね」
「そうだといいけれど」
「北海道にいても」
この神戸より遥かに寒いけれどだ。
「平気だしね」
「道産子ね」
「日本の寒さ位だとね」
「馬は平気ね、けれど私は」
イタワッチさんは自分のことも話した。
「かなりね」
「寒いんだ」
「今日は彼と色々行くけれど」
「寒くない様にしてね」
「そうするわ、お蕎麦も食べてね」
「あったまってね」
「そうして行くわ、この一年の最後がこんなに寒いなんてね」
僕に少し苦笑いで話してくれた。
「聞いていても実際にそうなったら」
「結構以上にくるよね」
「ええ、けれどね」
「けれど?」
「四季があるっていいわね」
僕ににこりと笑って話してくれた。
「だからね」
「この寒さも」
「楽しんでね」
そうしてというのだ。
「今夜はお蕎麦食べたら」
「それでだね」
「ちょっと行って来るわ」
こう話してくれた、そうしてイタワッチさんは馬をまた見た、僕はそのイタワッチさんと別れてだった。
今度は薔薇の場所に行った、今は咲いていないけれど薔薇は好きなので来た。するとそこにはテレサさんがいた。
テレサさんは僕を見るとこう言った。
「いや、ここに来て色々あったわ」
「日本に来て」
「八条荘に来てよ」
僕に笑ってこう話した。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ