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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第97話:明かされる名前
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てくれた訳だしさ」
「貴様ら……やはりフロンティアを……」

 やはりジェネシスはフィーネに協力する気は微塵も無かったのだ。彼らの目的はただ一つ、フロンティアのみ。組織の拠点としてフロンティアが欲しいのか、それともフロンティアの力そのものを欲しているのかは分からないが彼らはフロンティアを手に入れる為にウェル博士に手を貸していたのだ。

「ネタ晴らしには早いぞ、グレムリン」
「え〜? もういいでしょ? 最後の舞台の幕は上がっちゃったんだし」

 グレムリンの隣に、メイジに変身したメデューサが並び立つ。

「ミサちゃんは博士の方に行ってよ。僕はこっちを何とかしてから行くから」
「良いだろう。ついでに奴の持つソロモンの杖も頂戴しておこう」

 メデューサが踵を返す。その場に残ったグレムリンは、双剣を構えると再びソーサラーに斬りかかった。ソーサラーはそれをハルバードで迎え撃つ。

「くぅっ!? 貴様ッ!!」

 グレムリンの素早い攻撃を防ぎながら反撃の機会を伺うソーサラー。だがどちらかと言えばパワータイプなソーサラーはスピードタイプのグレムリンとは相性が悪い。激しい剣戟に、ソーサラーが徐々に押されていく。

 しかしソーサラーは決して引き下がらない。彼の後ろではマリアとセレナが固唾を飲んで見守っている。その2人を危険に晒さない為、2人に無様な姿を見せない為にソーサラーは己を鼓舞した。

「負ける訳にはいかない……これでッ!」
〈チェイン、ナーウ〉

 ソーサラーは四方八方から魔法の鎖を伸ばした。しかしその鎖は全てグレムリンを捉える事は無く、床や壁、天井とあらゆる平面を鎖の発生元の魔法陣と繋いだ。
 一見すると無駄に終わったソーサラーの魔法。ただ周囲に鎖を張っただけにしか見えないそれは、しかしグレムリン相手には効果覿面だった。

 不意にグレムリンの剣の片方が鎖に触れた。瞬間、鎖が蛇の様に剣に巻き付いた。

「ッ!?」

 片方の剣を腕ごと拘束されたグレムリンは、即座にその鎖を切断しようと自由な方の剣を振り上げた。迂闊にもその剣は別の鎖にぶつかり、その鎖もまた触れた瞬間弾かれた様にグレムリンの腕に巻き付いた。

「なっ!?」
「……お前相手に何の対策も練っていないと思ったか。何時かこういう日が来た時の為に、備えていた鎖の結界だ。触れれば即座に相手に巻き付き拘束する。しかも範囲は数十メートルにも及ぶ。素早さが持ち味のお前に逃げ場はない」
「くっ!?」

 これがソーサラーの秘策だった。ジェネシスと敵対する時の事を見越してソーサラーは幹部と戦う時の対策を立てていた。速度に秀でたグレムリンに対しては、その速度を殺しこちらが攻撃しやすい状況を整えてしまえばいい。

 動けないグレムリンなど怖くもなん
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