第110話『夢現』
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「それじゃ、明日のミーティングを始める。あ、三浦は寝たままでいいぞ」
時刻は夜9時。夕食も入浴も何とか済ませ、いよいよミーティングが始まる。さっきと比べると多少は動けるようになっていたが、明日に備えて安静が命じられた。
ちなみに結月は医務室で休むことになっているので、このミーティングには参加していない。
「皆もわかっている通り、明日結月は出場できない。だから場合によっては、暁を補欠として出場させなきゃいけない。それはわかってるか、暁?」
「も、もちろんっす」
レギュラーが欠員となれば、当然白羽の矢が立つのは控えの伸太郎。戦闘に関しては経験不足だが、他にメンバーもいないので仕方ない。本戦は"メンバー4人"が前提なのだから。
なお終夜の言う"場合"とは、特別ルールが1日目の時のようにランダム選出だったり、例えば4人選出だったりした場合のことだろう。その時は有無を言わさず伸太郎にも出場して貰わなければならない。
「じゃあ次の内容だが、準決勝に進むチームについてだ」
ここで、今回の本質とも言える話題が振られる。2回戦での情報不足を反省し、準決勝では事前にできるだけ相手のことを把握しておきたいという終夜の考えだろう。さすが手際が良い。
「1つ目は当然だが、優勝候補【覇軍】。アーサーさんや影丸さんの存在で隠れてはいるが、チームメンバー全員が相当な実力者。今日の2回戦はアーサーさんとアローさんのコンビで突破していた」
「さすが……」
大会1位の実力を誇る【覇軍】。晴登は今のところ全く彼らの試合を見れていないのだが、予選を1位通過して、ここまで勝ち上がっていることが何よりもの証明になる。
アローさん、という人の名前は初耳だが、この人も強いのだろう。試合が見れなかったことが悔やまれる。
「……何よ、私がぶっ飛ばしてやるわ」
そんな中、意外にも1人だけ奮起している人物がいた。拳を握りしめ、文字通りメラメラと燃え上がりそうな情熱である。
彼女にしては珍しく、冷静とは呼べない発言だ。
「その自信はどこから来るんだ。てか、そんなキャラじゃないだろお前」
「だって私、予選の時にナメられて情けをかけられてるのよ! あの借りを返さないと気が済まないわ!」
「へぇ〜」
ここで驚きのカミングアウトがされるが、終夜はあまり興味を示さない。
……待てよ。ということは、魔術部が予選を突破できたのはそのおかげという可能性もある訳か? それは確かになんか悔しい。でも助かってもいるのだから複雑な気分だ。
「話を続けるぞ。2つ目も本戦上位常連、【ヴィクトリア】。もし【覇軍】がいなければ、このチ
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