暁 〜小説投稿サイト〜
八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百二十八話 大晦日その十二

[8]前話 [2]次話
「飲んでいます」
「それでこのお茶もなんだ」
「先程淹れました」
 小夜子自身がというのだ。
「そして夜も」
「その時もだね」
「飲みます」
「お寺で振舞ってくれるしね」 
 八条寺でだ。
「それでだね」
「温まって目を覚まして」
 そうしてというのだ。
「楽しんできます」
「そうしていってね」
「はい」
 小夜子さんもお茶を飲んだ、そうして。
 お茶を飲んでいる小夜子さんの表情が変わった、目がはっきりと冴えている顔になった。そのうえでまた僕に言って来た。
「ではまた」
「うん、またね」
「お会いしましょう」
「来年になるかも知れないけれど」
「その時も」
 笑顔でこう話して別れた、僕はまだお茶を飲んでいたけれど。
 そこにだ、美沙さんが来てだった。
 お茶を飲んでいる僕を見てこう言ってきた。
「お抹茶飲んでるのね」
「うん、小夜子さんが淹れてくれたんだ」
「修行前に飲むの」
「いや、修行はしないから」
 僕は笑ってそれは否定した。
「忍者じゃないから」
「この場合の修行はお寺ね」
「お寺じゃお茶飲んでね」
 そうしてだ。
「修行するから」
「そうだね」
「ただね」
「ただ?」
「忍者もね」
 忍者部またの名を忍術部としても僕に言ってきた。
「修行の前にね」
「飲むんだ」
「そんな時もあるの」
「そうなんだね」
「ただ今日はね」
「今日は?」
「まあちょっとね」
 ここで顔を赤くさせて僕に言ってきた。
「一緒にね、甘酒をね」
「そっちをなんだ」
「あとホットコーヒーを」
 これをというのだ。
「飲むつもりよ」
「それで温まって」
「眠気も覚まして」
 そしてというのだ。
「そのうえでね」
「楽しむんだね」
「二人の時間をね、一年前はね」
「こうなるとはだね」
「思いもしなかったけれど」
 僕に笑顔で話してくれた。
「そうなるとね」
「いいんだね」
「ええ、じゃあね」
「うん、今日はね」
「また夜にね」
 お蕎麦を食べる時にとだ、こう話してだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ