第三百二十八話 大晦日その八
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「食べると」
「それがお粥ですね」
「はい、毎朝お粥という人もいますし」
それもかなりの立場の人がだ。
「朝のお粥は本当にいいですね」
「最高のご馳走の一つかと」
「朝のお粥は」
「朝食として食べやすく」
小野さんは僕にさらに話してくれた。
「また作る手間を考えますと」
「朝のお粥は」
「この世で最高のご馳走の一つかと」
そこまでのものだというのだ。
「私も思います、その中でも茶粥は」
「ああ、奈良県の」
「かなりのものかと」
「あちらのお粥も美味しいですよね」
「栄養もありますし」
「お茶ですからね」
お茶にはビタミンもある、モンゴル人は羊肉と乳製品で多くの栄養を摂取しビタミンはお茶から摂ることからもお茶のビタミンのよさがわかる。
「ですから」
「尚更いいです」
「そうですよね」
「今日は普通のお粥ですが」
「またですね」
「茶粥を出させて頂きます」
「その時が楽しみです」
僕は小野さんに笑顔で応えた。
「本当に」
「そう言って頂けると有り難いです」
「お粥好きですから」
僕の好物の一つだ。
「ですから」
「それでは」
「はい、じゃあ今は」
「そのお粥をですね」
「いただきます」
見れば皆笑顔で食べている、そしてだった。
お粥を梅干しと一緒に食べた、それで朝食を摂ってだった。
食べた後はゆっくりした、しかし。
お昼になってお昼ご飯を食べようと食堂を降りるとだった。
皆そわそわしだしているのがわかった、それで僕はロビーで自分の携帯を必死に観ている留美さんに尋ねた。
「何か皆そわそわしてるけれど」
「うむ、夕食の後を考えるとな」
留美さんは僕に顔を向けて答えてくれた。
「どうしてもな」
「ああ、皆外出するのかな」
「そうだ、それも一人ではない」
「デートだね」
「そうだ、皆も同じだろう」
他の娘達もというのだ。
「このことはな」
「やっぱり皆デートに出るんだね」
「クリスマスもでだ」
「それでだね」
「皆、私も含めてな」
「そわそわしているんだ」
「お蕎麦を食べたら」
年越しのそれをというのだ。
「もう皆だ」
「それぞれデートに出るんだ」
「それは君もだな」
僕を見て言ってきた。
「そうだな」
「そのつもりだよ」
僕もこう答えた。
「やっぱりね」
「そうだな」
「うん、香織さんとね」
「大晦日から元旦にかけてな」
「夜は出て」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「年を跨いで想い人と同じ時間を過ごす」
「風情があるよね」
「その風情を楽しみたいからな」
それ故にというのだ。
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