第三百二十八話 大晦日その七
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「だからね」
「関西じゃよく食べるのね」
「関東も産地があるらしいけれど」
日光の辺りだっただろうか。
「関西の方が歴史があってね」
「それでなのね」
「関東よりもよく食べると思うよ」
「そうなのね」
「そしてね」
僕はさらに話した。
「またこの三輪素麺が美味しいんだ」
「そんなに美味しいの」
「そうなんだ、おつゆに付けて」
お水で冷やしたそれをだ。
「食べるとね」
「物凄く美味しいの」
「そうなんだ、ここでも出たよ」
「八条荘でも」
「それで香織さんもね」
「食べたの」
「美味しいって皆言ってたから」
その三輪素麺を食べた時はだ。
「香織さんもね」
「そうだったの、覚えてないわ」
「じゃあ来年食べたらいいよ」
僕は香織さんに笑って答えた。
「その時にね」
「あらためて」
「そうしたらいいよ」
こう香織さんに話した。
「その時にね」
「じゃあ来年の夏にね」
「一緒に食べようね」
「そうしましょう。夏はね」
「うん、それで今は」
「お蕎麦ね」
「今年の最後にそれを食べようね」
「一緒にね」
「そうしよう」
こうした話をしてだった。
僕は朝ご飯を食べた、今日はお粥だった。
「寒いですし年末で皆さん美味しいものを沢山召し上がられていて」
「それで、ですね」
「胃が疲れていると思いまして」
小野さんが僕にお粥にした理由を話してくれた、
「今朝はこうしました」
「お粥は胃に優しいですからね」
「はい、それに新年になっても」
「やっぱり美味しいものを沢山食べて」
「胃が疲れるので」
このこともあってというのだ。
「ですから」
「今日はお粥ですか」
「そしておかずもです」
「それもですね」
見ればそれもだった。
「梅干しですね」
「そうしました」
「そうですか」
「梅干しはお粥に合い」
「身体にもいいですね」
「ですから」
それでというのだ。
「今朝はです」
「お粥と梅干ですね」
「それもお粥は日本のお粥です」
我が国のそれだというのだ、一口にお粥といっても日本のお粥もあれば中国のお粥もある。その国それぞれなのだ。
「そうしました」
「梅干しもあるので」
「そうです、如何でしょうか」
「いいですね、落ち着きます」
僕は小野さんに笑顔で応えた。
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