モカの目的
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にトレギアは首筋を掻きむしりながら、ウィザードを睨んだ。
「本当に……私の楽しみをとことん奪っていく……!」
「その顔をしてくれるだけでも、頑張った甲斐あったよ……」
ウィザードは皮肉を込める。
「あああ……全く君は……!」
トレギアは両腕の爪を使ったカッター状の光線___トレラムノーを放った。
だが。
「何!?」
小さな光線が、トレギアの腕を打つ。トレギアの手からは煙が舞い上り、忌々しそうにその発射口を睨んだ。
甲高い音とともに発射されるそれは、その発射口が徐々に近づいてくる。
「ココアちゃん……!?」
「小娘ごときが……!」
そこにいたのは、ココアだった。
腰が抜けたように震えながらも、その手には銃が握られている。
白い、宝石が埋め込まれた銃。よく見ればそれは、以前ココアが鞄の中に入れていたものだった。
「ココアちゃん……っ!」
ウィザードが叫ぼうとするが、目の前に起こった崩落によりその声は阻まれる。
だが、崩落の隙間からは、まだココアの姿が見える。
「やめて!」
トレギア達に向けながら、ココアは叫んだ。
「これ以上、私たちのこの町を壊さないで!」
「……これはこれは……」
どこか、トレギアの声には憎々しさが入り混じっているようにも聞こえた。
「デュナミスト……たかが偶然選ばれただけで、光の使者を語るか……!」
「な、何言ってるか分からないけど、とにかく見滝原を壊さないで!」
「やめろ……! ココアちゃん! 逃げて!」
ウィザードの姿であるにも関わらず叫ぶ。だが、炎による轟音か、崩落していく見滝原ドームの音か、彼女には聞こえていない。
「これ以上やるなら……怖いし……逃げ出したいけど……! 今、何とかできるなら……!」
「消えろ……ノアの残滓ごときが……!」
トレギアがトレラアルティガイザーを放つ。
だが、雷光がココアに届くよりも先に。
「私が……! 妹を守れるなら! 私が頑張るよ!」
ココアが引き抜く。
果たして、トレラアルティガイザーをも飲み込む光に、ウィザード、龍騎、そしてトレギア、ファウストとメフィストは目を覆った。
そこにいたのは。
「ウルトラマン……____!」
トレギアが毒々しく呟く名前。ただ、後半は崩落に混じって聞き取れなかった。
体のほとんどが銀に包まれる、銀のヒューマノイド、ウルトラマン。
それは、トレギア達に向け、構えた。
「そっか……」
紗夜とチノ。二人を守るように前に立ちながら、モカは呟いた。
視線の先にいる、銀の戦士。ココアがあの姿になる一連の姿を、モカは目撃している。
「ココアはもう、
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