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おぢばにおかえり
第六十六話 好き嫌いその十一

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「教会のことを知って」
「それでなの」
「僕もそうして信心の中に入りたいってです」
「思ったの」
「それで天高にも入りました」
 天理高校の略称です、俗にこう呼ばれます。
「それで、です」
「今勉強中なのね」
「そうです、高校の三年間しっかり勉強して」
 阿波野君はさらにお話しました。
「天理大学受験して」
「合格したらなのね」
「そのままおみちを勉強させてもらって」
「講習も受けさせてもらってなのね」
「いいようぼくにならせてもらいますね」
「そのいさみはいいと思うわ」
 頼もしい位です。
「最後までいさんでいってね」
「はい、ただ教会長の資格を貰っても」
「だから結構教会も跡継ぎの人がいなかったりするから」
 子供がいなかったりしてです。
「それでなのよ」
「継いでくれる人がいたらですか」
「物凄く有り難いから」
「ならせてもらえますか」
「しっかりとした信心がある人なら」
 もうそれならです。
「願ったり適ったりなのよ」
「そうなんですね」
「だから阿波野君もよ」 
 おみちしてはまさに金の卵です、もっと言えばそれを産んでくれる鶏さんといったところでしょうか。
「宜しくね」
「そうさせてもらいます」
「高校生でそこまで考えてくれてるなんて」 
 このことも考えてみるとです。
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