第二十話 ゴールデンウィークの予定その五
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「戦争や災害、兎角大きなことを書いて」
「人類滅亡ですね」
「そう書いてです」
「売るだけですか」
「はい」
「それが本屋さんとかにある予言の本ですか」
「過激な話は読まれます」
人類滅亡だのというのだ。
「衝撃的で」
「インパクトがあるので」
「それで驚いて興味を持って」
そうしてというのだ。
「買います。ですからああした本は一定の売り上げを持っていたのです」
「そうなんですね」
「流石に一九九九年以降下火になりましたが」
ノストラダムスの一番有名なこの予言が外れたからだというのだ、彼の代名詞と言っていいまでの予言であったが。
「ですがまだある程度はです」
「売れますか」
「その様です」
「そうなんですね」
「ですから」
それでというのだ。
「こうした本は今もあることはあります」
「ノストラダムスでなくとも」
「中にはもう箸が転がっても」
些細なことでというのだ。
「人類滅亡を言う」
「そうした本もあったんですね」
「はい」
実際にというのだ。
「最早狂気の域でした」
「電波でしょうか」
咲は侠気と聞いてこう問うた。
「そうですか」
「そうですね」
速水も否定しなかった。
「あそこまでいきますと」
「やっぱりそうですか」
「あまりにもです」
「そんなことばかり言うので」
「最早」
それこそとだ、速水も否定しなかった。
「そう言っていいまででした」
「凄い本もあったんですね」
「ですが売れました」
こちらの本もというのだ。
「非常に」
「衝撃的で過激だったので」
「そちらに振りきれていたので」
その為にというのだ。
「そうでした」
「そうだったんですね」
「ですから」
速水はさらに言った。
「売れます」
「それで売れるんですね」
「人は刺激を求める生きものなので」
「売れるんですね」
「そして読んで」
そのうえでというのだ。
「信じてしまいます」
「どんなものでもですか」
「はい」
まさにというのだ。
「目にすれば、特にです」
「特に?」
「目だけでなくです」
さらにというのだ。
「耳でしかも文章でなく絵しかも動画になりますと」
「さらにですか」
「目に入ります、ですからテレビは」
この媒体はというのだ。
「新聞や雑誌、本以上にです」
「危ないですか」
「はい、ですから私はです」
速水自身はというのだ。
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