第百八話 怪物達、世界を語るのことその六
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「天界の存在は多くの書に出てきますし神様達もおられるのはわかっていましたけれど」
「まあ仙人って呼んでもいいわ」
「仙女になるわね」
まだこんなことも言う二人だった。
しかしだ。そのことよりもだ。二人は今はこのことを話し続ける。
「とにかくあたし達は少し力を授かっただけよ」
「そうした存在なのよ」
「その力は少しではないわね」
マリーが突っ込みを入れるのはこのことだった。
「貴方達の基準ではそうかも知れないけれど」
「そこ、貴女達にしておいて」
「あたし達は乙女なんだから」
「まだ言うことは認めるわ」
マリーもだ。流石に呆れ果ててしまった。
それで今は黙ってだ。それでだった。
二人はだ。また話すのだった。
「で、並行世界と時空を自分達の思いのままにしようっている者達がいるのよ」
「それがつまり」
「あいつ等」
呂布はぽつりと述べた。
「白装束の一団」
「そう、あの連中はあらゆる世界に介入しようとしているの」
「自分達の思うようにする為にね」
「思うようにってのが問題なんだよな」
漂はこのことを指摘した。
「まあ連中のこれまでの行動見てたら世界を破壊して自分達の望む世界、まあ掟とか決まりが何もない滅茶苦茶な世界を築きたいんだろうな」
「その通りよ。あの連中は混沌を望んでいるのよ」
「破壊のうえでのね」
「やはりそうか」
マキシマもこのことを聞いて納得して頷く。
「そして俺達の世界の連中と手を結んだか」
「ええ、彼等はあちらの世界でそれぞれ世界を破壊しようとしていたわね」
「どの者達も」
「オロチというのはね」
神楽がだ。オロチについて話す。
「あれなのよ。自然の神の、荒ぶる神の一柱で」
「人類の文明を好まない」
「徹底的に破壊したいと思っているのね」
「そうよ。その通りよ」
「そうした神もいるのよ」
「自然を司る神の中にはね」
二人はこのこともわかっていた。
「オロチはそうした神なのよ」
「自然の神様の中でも」
「そうした意味では破壊と混沌と同じね」
神楽はまた言った。
「自然には文明がない、つまり法律も何もないから」
「そう、オロチは人間の文明も自然の中にあると思っていないのよ」
「自然と文明は対立するものと思っているから」
だからだ。人類を滅亡させようとしているというのだ。
「そこが問題なのよ」
「オロチはね」
「そしてアンブロジアですね」
ナコルルは彼等について述べた。
「あの神は」
「あれは邪神よ」
「邪な意志が強大な力を得たものなのよ」
二人はアンブロジアについても知っていた。それでだ。
この神についてもだ。話すのだった。
「悪意を以てこの世を破壊する」
「そうした神なのよ」
「悪意ですか」
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