暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
王者の風格
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入る。

「今日の先発はエースの後藤理沙(ゴトウリサ)さん。U-18日本代表のエースよ」
「じゃあすごい人だ!!」

解説を聞きながら投じられた初球。まるで糸を引いているかのような綺麗なストレートがキャッチャーの構えたミットに収まる。

「MAXは124km。陽香さんが123kmだからそこまで変わりはないけど……」
「けど?」

ボールを返球されると、サインを受けてすぐに投球に入る金髪の少女。高々と上げられた足が踏み出されると、動き出していたバッターを嘲笑うように、山なりのボールがミットに収まる。

「うわっ!!何あれ!?」
「あれってコントロールされてるの?」
「もちろん。後藤さんのスローカーブは狙ってストライクが取れるわ」

昔甲子園でも似たようなボールを投げる人がいたけど、ここまで腕を振って投げたボールでは打者も見分けが付かない。結局次のストレートにスイングすることすらできず、呆気なく三振に倒れていた。

「これ以外にもスライダーとフォークを投げれる上に、全部で空振りもストライクも取れるほどの精度の高さを持っているの」
「力のあるストレートに縦と横の変化。おまけに点でしか捉えられない緩いボールがあるから、どこのチームもなかなか打てないのよね」

その言葉を裏付けるように、続く二人を内野ゴロに切って取る後藤さん。試合開始から5分も経っていないのにこのスピーディーな試合展開。本当に強いチームなんだと思わされる。

「打撃ももちろん強いよ。イメージとしたらうちの打撃がより強化された感じかな?」
「う……うちの打撃を……」

二試合連続のコールド勝ちということもあり、先輩たちの打撃はすごいの一言。なのに、これから攻撃に入る東英はそれを上回るらしい。

「一、二番は比較的小技が得意な大山優樹菜(オオヤマユキナ)さんと笠井希(カサイノゾミ)さん。めちゃくちゃ出塁率が高いんだ」

先に打席に入る赤髪のショートヘアの女性。明里さんを彷彿とさせるようなスラッとした背の高い彼女は、左打席で一度大きく伸びた後、重心を落としながら構えに入る。

カキーンッ

2ボール2ストライクからの5球目をレフト前に流す綺麗なバッティング。続く藍色の髪をしたツインテールの少女は、左打席に入るや否やすぐさまバントの構え。

「正攻法なんだね」
「う〜ん……たぶん違うと思うけど」

翔子の言葉に否定的な紗枝。しかし、相手は私たちと同じ考えのようで、ピッチャーが動き出すと同時にサードが前へとダッシュする。すると……

スッ

「「「「「!!」」」」」

笠井さんはバントの構えから一転、バットを引くとそのままダッシュしてきたサードの頭上へライナーを放つ。

「うわっ!!」

スタンドにまで聞
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