暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
王者の風格
[2/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
も解説係みたいになってるけど、大丈夫かな?
「オーダー出た?」
「秋とは変わってるみたいだよ」
丁寧にメモまで取っていてくれた様子の紗枝。瑞姫が見ているそれを後ろから覗き込むけど、名前なんか誰もわからないから意味がなかったりする。
「あれ?笠井さん2番になってるじゃん」
「大山さんと入れ替わってるみたいだね」
二人で盛り上がっている瑞姫と紗枝に置いていかれている私たちは目を合わせると苦笑いを浮かべてしまう。完全に私たちのことを忘れている二人を見ていると、イタズラをしたくなってしまった。
ジーッ
そして同じことを考えている様子の娘がもう一人。紗枝の隣にいる
長谷川翔子
(
ハセガワショウコ
)
。彼女は私にアイコンタクトを図っていたようで、それに気付くと揃ってニヤリと笑う。
「二人だけで楽しむなぁ」
「やぁ」
「「きゃあああ!!」」
警戒心の一切ない二人に後ろから抱き付く。突然の出来事で驚いた二人は周囲が振り替えるほどの悲鳴をあげていた。
「ちょっと!!何やってるの!?」
「変なところ触らないでよ!!」
「いいじゃんいいじゃん♪」
「二人だけで盛り上がってるのが悪い」
立ち上がりげんこつを落としてくる瑞姫と翔子を引き剥がそうとしている紗枝。そのリアクションがあまりにも可愛らしくて楽しんでいると……
「そこ!!静かにしろ!!」
前方に陣取っていた陽香さんに怒鳴られてしまった。
「「「「す……すみません……」」」」
物凄い剣幕だった彼女の圧に押されて小さく縮こまる。さらには周囲の人たちの視線が集まっていたことにようやく気付いた二人は、顔を真っ赤にしていた。
「次やったら舌噛むから」
「そんな怒り方する人今どきいないよ」
怒り方の方向性が違うような気がしたけど、ここはスルーしておく。しかも、私たちが騒いでいる間に試合は始まっていたようで、東英と書かれたユニフォームに身を包んだ少女たちが守備に着いていた。
「先発はエースの後藤さんか」
「じゃあ指名打者もなしだね」
さっきのことがあったのに既に二人だけの世界に入り込んでいる瑞姫と紗枝。ただ、さすがに二度も同じことをすると何をされるかわからないので今回はやんわりといく。
「あの……二人とも?」
「解説は?解説!!」
翔子も同じことを思っていたようで二人揃って声をかける。案の定みんなも同じように彼女たちに視線を向けており、それに気付いた二人は大きなタメ息をついていた。
「仕方ないね……」
「試合見ながらね」
「「やった!!」」
じっくり試合を見たかったのが反応からすぐにわかったけどそんなことはお構い無し。既に投球練習を終えている背番号1のサウスポーは、審判の声でモーションに
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ