第9節「ガングニール、再び」
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一人もいないなんて、聞いてないんだけどぉ〜?」
舌打ち交じりに例のアンプルを取り出すと、苛立ちのままに地面へ叩きつける。
「くっそ、面白くない……ッ!」
ガリィはそのまま姿を消した。
後に残されたのは戦いの痕と、この状況を無事に生き抜いた少年少女の姿であった……。
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「空間移動……。あれもまた、錬金術の……」
「現代に新型ノイズを完成させるという事は、位相空間に干渉する技術を備えているという事です。テレポートジェムもまた、その一つ……」
「んな事より、皆無事なのか!?」
ようやくクリスたちが発令所へと入って来たのは、ガリィが撤退した頃だった。
「駆け付けたマリアさんが、ガングニールを纏って敵を退けてくれたわ」
「ただ、純くんのアキレウスが破損……。また、戦力を削られてしまったわけか……」
「純くんは無事なのかッ!?」
「幸い、大した怪我は無さそうよ。念の為、メディカルチェックが必要だけど」
友里の言葉に、クリスは胸を撫で下ろす。
「マリア姉さんがガングニールを……」
「それってつまり……」
「LiNKER無しで戦ったのか……」
「まったく、無茶をしてくれる」
切歌と調、セレナ、そしてツェルトはマリアがLiNKERを使わずに戦った事に気づき、顔を曇らせる。
そして翼は、どこか安堵したような顔で、スクリーンに映るマリアの姿を見つめていた。
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