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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第9節「ガングニール、再び」
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がこじ開けられ、無防備になった心臓部へと、マリアは素早く烈槍を突き立てた。

……突き立てられた、筈だった。

穂先はガリィに突き刺さる寸前で、先程よりも小さく、強固な結界に阻まれていたのだ。

「な──ッ!?」
「頭でも、冷やしゃぁぁぁぁぁッ!」

烈槍を受け止めた結界は徐々に広がり、次の瞬間、鋭い氷柱が勢いよくマリアを突き飛ばした。

「ううあッ!?……ッ、く」

空中で何とか体勢を整え、無事に着地するマリア。
だが、その全身には依然、バチバチと紫電が走っている。

「決めた、ガリィの相手はあんたよッ!」
「くッ……」
「いっただっきま〜すッ!」

マリアに狙いを定めたガリィは地面を凍らせ、次の瞬間には眼前に迫っていた。
あまりの素早さに、カラコロと鳴るオルゴール音は不協和音を耳に届け、一瞬で懐に入った自動人形は氷の刃を手にコンバーターを狙う。

「させるかッ!!」

だが、氷の刃が貫いたのはマリアのガングニールではなかった。

間に割って入って来たのは銀色の流星。
無敵の盾を手に疾走する、アキレウスの伴装者だった。

「純ッ!!」
「邪魔すんじゃ……ねぇッ!」

咄嗟に割り込んだ純のガード。しかし、ガリィはそれさえも対応して見せた。

攻撃方法を氷刃での刺突からではなく、斬り上げへと素早く変更し、純の防御を一瞬で崩す。

「く……ッ!?」

純の盾が手を離れ、宙を舞う。
そしてガリィは、無防備になった純へと氷刃を振り下ろす。

咄嗟に防御姿勢を取る純。だが、ガリィの狙いはただ一点、左手首のブレスだった。

「あはッ!」
「しまった……ッ!?」

ブレスがひび割れ、ガリィがほくそ笑む。

RN式アキレウスのプロテクターが力を失い、スーツから色が失われていった。

「クソッ……やっちまった……」

膝を着く純。その身に纏っていた鎧は、大英雄の鎧ではなく、ただの特殊合金プロテクターへと戻っていた。

「とんだ邪魔が入ったケド、今度こそ──」

ガリィが再びマリアの方を向いた、その時だった。

「がぁッ!?」
「……は?」

突如としてガングニールが砕け散り、マリアは地面に膝を着いた。

ガリィは何もしておらず、周囲に敵影もない。
そしてなにより、マリアの衣服は元のままであった。

ただ、両目と口角から血を流している……という点を除いて。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

ギアの強制解除。つまり、時間切れである。
これ以上はバックファイアに身体が耐えきれないため、システムが自動でギアを解除させたのだ。

獲物を失い、ガリィは不機嫌さを顕にした表情で、マリアと響を交互に一瞥する。

「……何よこれ。まともに唄える奴が
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