第9節「ガングニール、再び」
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ルフェン》 gungnir zizzl──」
溢れはじめる秘めた熱情が、彼女の全身を黒く包み込んだ。
「──マリアさんッ!?」
響を始め一同が呆然とする中、瞬きの瞬間には、マリアの全身はかつてと同じ──否、弱さを覆い隠す黒いマントを脱ぎ捨てた、烈槍・ガングニールを鎧う戦姫の姿に変わっていた。
「この胸に宿った信念の火は──」
前腕部のアーマーを大槍のアームドギアに変形させると、先端から放つ閃光で前方のアルカ・ノイズを焼き払う。
〈HORIZON???SPEAR〉
LiNKERを投与していないため、全身を紫電が迸っているが、歯を食いしばって痛みを堪えながら、彼女は力強く歌い続ける。
(戦える──。この力さえあればッ!)
フロンティア事変以来、約半年ぶりに纏うガングニール。
その力を握り直しながら、マリアはガリィへと立ち向かっていく。
『マリアくんッ!発光する部位こそが解剖器官……、気をつけて立ち回れッ!』
「俺達も援護しますッ!」
「こっからが見せ場だぜッ!」
弦十郎からの指示と伴装者達からの援護を受けながら、マリアは更に追加されたアルカ・ノイズを蹴散らしていく。
パイプオルガン型を真っ二つにし、背後から迫るヒューマノイドアルカ・ノイズ2体を薙ぎ払い、振り向きざまの勢いを乗せてもう一体、パイプオルガン型を撃破する。
遠距離攻撃ができる方を先に潰し、残る人型も無駄のない動きで蹴散らしていく。
半年もギアを纏っていないにも関わらず、鈍った様子さえ見せずに、マリアはガングニールを使いこなしていた。
(わたしのガングニールで、マリアさんが戦っている……。ガングニールは……人助けの力なのにッ!)
つい先程、自らに応えてくれなくなったガングニールが今、マリアに力を貸している。
戦うマリアの姿を見る響の胸には、複雑な感情が広がっていった。
「想定外に次ぐ想定外。捨てておいたポンコツが意外なくらいにやってくれるなんて……」
(──ノイズは粗方倒した。後は──)
残るアルカ・ノイズを翔たちに任せ、高く飛び上がったマリアはガリィへと向け、烈槍を突き出した。
「覚悟を今構えたらッ!誇りとちぎ──」
だが、その一撃はガリィに届くこと無く止められた。
割れるような音と同時に、宙を舞う氷。
ガリィが翳した両手の先には、青い魔法陣が。そして魔法陣へと向かって、白く凍てついた空気が集まっていく。
氷の結界は烈槍を阻み、無双の一振りを通さない。
「ッ!それでもッ!!」
マリアの叫びと共に、烈槍の穂先が中心から二つに割れ、短槍となったアームドギアが現れる。
「ッ!?」
ガリィの両手
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