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レーヴァティン
第二百十八話 上陸作戦その十一

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「文章と同じだけね」
「重いな」
「サインをしたね」
「だから破れないな」
 久志は深刻な顔で言った。
「余計に」
「皇帝はね」
「ああ、だから絶対にな」
「三国の王様は決めるわね」
「ことが収まったらな、それとスコットランドもな」
「王位はそのままね」
「連合王国の王様ではなくなるさ」
 四国それぞれの王を兼ねる立場ではなくなるというのだ。
「それでもな」
「スコットランドの王位はね」
「そのままだ」
 この地位は保証するというのだ。
「別に俺は国を奪うつもりはないんだ」
「帝国に入れるつもりで」
「だからな」
 それでというのだ。
「スコットランドの王位もな」
「保証するわね」
「ああ」
 絶対にというのだ。
「このこともな」
「守るわね」
「皇帝は約束を守る」
 久志は強い声で言った。
「誰よりもな」
「そうよ、だからね」
「三国の王を立てて」
「スコットランド王の地位も保証するわね」
「そうするな、思えばな」
 久志は考える顔でこうも言った。
「明治帝も昭和帝もな」
「お二方はね」
「約束は絶対に守られたからな」
「お二方はまた別格よ」
 双葉も言ってきた。
「まさに国の主としてお手本とすべき方々よ」
「そのことを痛感するな」
「タイプは違うけれど」
 明治帝と昭和帝ではだ、祖父と孫の関係であられるがお二方の個性はそれぞれ全く違うものである。
「そうよね」
「だよな」
「だったらあんたも」
「皇帝として」
「あの方々をお手本にして」
 そしてというのだ。
「言ったことはね」
「果たすべきだな」
「そして約束もね」
「守らないとな」
「そうよ、それが一番よ」 
 為政者そして皇帝としてというのだ。
「いいわね、じゃあね」
「ああ、四国もな」
「そうしていくな」   
 それぞれの王を立てるというのだ、こう言ってだった。
 久志は四国それぞれに王を立てることを宣言した、そのうえで。
 リバプールに向けて進軍を続けた、連合王国は一国から四国に戻りそして帝国の中に入ろうとしていた。


第二百十八話   完


                  2021・7・15
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