第三百二十八話 大晦日その五
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「それにたい焼きもね」
「たい焼きも温まるわね」
「だからそういうのも食べて」
僕はさらに話した。
「後はね」
「後は?」
「甘酒もあるから」
「ああ、甘酒もあるの」
香織さんは甘酒と聞いてお顔をこれまで以上に明るくさせて言った。
「それはいいわ」
「甘酒好きなんだ」
「大好きなの、甘いしね」
甘酒という名前通りにというのだ。
「温まるから」
「それでだね」
「私甘酒大好きだから」
「それじゃあ」
「それも飲みましょう」
「それじゃあね」
「それと」
香織さんはさらに言った。
「お神酒もあるわよね」
「それも出るよ」
神社の方で振舞ってくれる。
「甘酒もだしね」
「それじゃあね」
「お神酒も飲んで」
「温まれるわね」
「だからね」
それでだ。
「今夜はね」
「あったまりながら行くのね」
「厚着をして出てね」
「それじゃあ寒くないわね」
「そうしていったらね」
「いいわね」
「うん、新年は嬉しいけれど」
それでもだ。
「冬だからね」
「寒いことは寒いわね」
「雪だって降るかも知れないし」
季節が木背うtだからその可能性もある。
「冷えることは覚悟してね、特に神戸だし」
「前が海ですぐ後ろが山だから」
「山から強い風が吹くから」
六甲おろし、それがだ。
「やっぱりね」
「冬は冷えるわね」
「大阪よりもずっとね」
「確かに寒いわ」
「そうだね、けれど北海道は」
「やっぱりね」
香織さんは笑って答えてくれた。
「さらに寒いわ」
「そうだよね」
「日本の一番北にあるから」
それだけにというのだ。
「寒さもね」
「相当だね」
「そう、だからね」
「神戸よりも寒いね」
「神戸の寒さが辛いって言う人も多いけれど」
「この八条荘でもね」
「私はまだね」
北海道で生まれ育ってきたからだというのだ。
「これ位はね」
「平気なんだ」
「そうなの」
実際にというのだ。
「まだね」
「そうなんだね」
「ええ、けれど寒いことは寒いから」
北海道よりましといってもというのだ。
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