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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第96話:希望を掴む為に
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となく自分達を支えてくれた彼なら、或いは――――――
「ねぇ、私どうしたら良いの? 私、こんなものが見たいが為にやって来た訳じゃないのに……」
マリアからの問い掛けに、ソーサラーは何も答えない。ただ肩に手を置き、苦しそうに顔を俯かせるだけだった。
それがマリアの神経を逆撫でした。この状況で、頑なに何も語らず助言もしてくれない彼にやるせない気持ちをぶつけたのだ。それはただの八つ当たりでしかないが、精神的に追い込まれた今のマリアの状態を考えればそうなるのもやむを得ないだろう。
「何で? ねぇ何で何も言ってくれないの!? 何時も何時も、何であなたは私に何も――――」
その時、一瞬ソーサラーとマリアの視線が交錯した。仮面越しにだが、マリアにはソーサラーと視線が混じり合ったのが分かった。
その時、マリアは既視感を感じた。今の感じ、覚えがある。
自分は彼を……ソーサラーを、知っている?
「あなた……あなたは、誰なの?」
「ッ!?」
何かに気付いた様子のマリアに、ソーサラーが静かに息を呑み顔を逸らせた。
「ぷ……くくく……アッハハハハハハハハハハ!! ヒャハハハハハハハハハ!!」
彼がマリアから顔を逸らした、それを見て笑い声を上げる者が居た。グレムリンだ。何時からここに居たのか分からないが、メデューサの隣にグレムリンが居て腹を抱えて馬鹿笑いをしていた。
一体何がそこまで面白いのか、目尻には涙を浮かべ壁をバンバン叩いている。
明らかにソーサラー達を馬鹿にした様子のその笑いに、マリアが憤りを覚え立ち上がる。
「何よ……あんた、何がそんなに――――!?」
笑うグレムリンにマリアが食って掛かろうとしたその時、ナスターシャ教授からの通信が入った。
『マリア』
「ッ! マム?」
突然の通信にマリアが目を丸くしていると、ナスターシャ教授は近くにウェル博士が居ないのを見て安堵し、しかし離れた所にグレムリンとメデューサが居る事に視線を険しくさせた。
『ソーサラー、マリアを。マリア、フロンティアの情報を解析して、月の落下を止められるかもしれない手立てを見つけました』
「え?」
『最後に残された希望……それはマリア、貴女の歌が必要です』
「私の……歌……」
ナスターシャ教授の言葉に、マリアが呆然としながらオウム返しをした。
そのマリアとメデューサ達の間には、彼女を守るようにソーサラーが立ちはだかる。
そして、そんな緊張感の漂うブリッジの中の様子を、入り口の陰からセレナが壁に手をつき荒く息を吐きながら見つめていた。
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