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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第96話:希望を掴む為に
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れ魔力の器である颯人の体が耐え切れなくなるって……」
気付けば奏は目から涙を流していた。涙ながらに奏が口にする颯人が辿る最悪の結末。その内容に颯人は表情を険しくさせた。
それはその内容が不愉快だからではない。不愉快でないと言えば嘘になるが、颯人が癪に障ったのはそこではない。
颯人が気に入らないのは、自分の本当に実現するかも分からない結末をダシに奏を惑わし、誑かしたことが何よりも気に入らなかった。
心の中で颯人は奏が言うグレムリンと言うジェネシスの幹部に対し怒りを燃やす。
「……んな戯言信じるのかよ? 大法螺に決まってんだろ?」
そう言って颯人は優しく奏を説得しようとするが、奏は聞く耳を持ってくれない。寧ろ先程以上に興奮した様子で颯人に捲し立てた。
「でも最近ずっと颯人がファントムになって死ぬ夢を見るんだ!? こんな偶然あるか!?」
「別に奏は特別な能力者でも何でもねえだろうが。何そんな夢位でビビってんだよ、しっかりしろ」
「じゃあ逆に聞くけど、颯人が絶対ファントムにならないって保障があるのか!? 未来が見える訳でもあるまいに、何でそんな楽観的になれるんだよ!?」
冷静さを完全に欠き、喚く奏を颯人は説得するがやはり効果は薄い。
こうなったら、多少なりとも荒療治をするほかないだろう。
「じゃあ仕方がねえな。口で言って分からねえなら、力尽くでだ」
「上等だ……颯人はもう戦わせない。アタシがお前を止めてやる――!」
「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ」
ウィザーソードガンを構える颯人とアームドギアを構える奏。
一触即発の空気の中、しかし颯人の口元には笑みが浮かんでいた。
「そういや、最近はあんまりガチの喧嘩はやらなかったな。折角だ、久し振りに思いっきり喧嘩しようぜ奏」
***
フロンティア上での戦いは激化しつつある。クリスと透はウェル博士達が居るフロンティア中枢へと向かいながら立ち塞がるノイズに魔法使いを蹴散らし、翼もそれに近付きつつある。
一方遅れて出撃した響と調だが、調は突如として立ち塞がってきた切歌と戦う為響と別れた。今、響は1人でフロンティア中枢へと向かっている。
それら戦いの様子を、マリアがフロンティアのブリッジから見ていた。
数ある戦いの中でも、彼女が注目せずにいられないのは切歌と調の戦いだ。元々仲間で、しかも仲が良かった筈の2人が戦い始めた事に膝を折らずにはいられなかった。
「どうして……仲の良かった調と切歌までが――――!?」
崩れ落ちたマリアに、ソーサラーがそっと肩に手を置く。彼にはそれしか出来る事が無かったからだ。
だがマリアはこの状況で対にソーサラーに縋った。今まで幾度
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