暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第96話:希望を掴む為に
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害はほぼ確実に存在する事が予想されるからだ。

 クリスと透の2人と分かれ、颯人と翼はノイズやメイジを相手に奮闘していた。ここで2人が派手に暴れれば、クリス達への負担は少しは軽くなる。

 そう思っていた矢先、颯人達の耳にとんでもない通信が入ってきた。何と調が響と共に出撃したと言うのだ。

「何ぃぃっ!? あの2人が出撃した!? しかも調ちゃんだけならまだしも、響ちゃんまでって!?」
「今の立花は戦う力を持たない筈です!」

『そ〜なんだけどね〜。弦十郎君ってば、か〜んぜんに響ちゃんに乗せられちゃってさぁ』
『うぐっ!? ま、まぁ、何だ? 計算で出す行動だけが全てじゃないって事だ』

「要するに博打打っただけじゃん」
「司令……」

 弦十郎の下した結論に、颯人と翼は顔を見合わせると揃って項垂れ額に手を当てた。今2人の姿はカメラに映っていないので、オペレーター達は2人の様子を想像する事しか出来ない。
 だが朔也やあおい達は呆れた仕草をする2人の姿を幻視し、その姿を想像し思わず笑みを溢す。

 こんな状態だと言うのにそんな顔が出来るのは、肝が据わっている証拠だろう。

 一方の颯人と翼はと言うと、響の行動力に頭を抱えたが、直ぐにその顔には苦笑が浮かんだ。呆れずにはいられないが、しかし何と言うか響らしい。ジッとしている事が出来ず、出撃してしまったのだろう。

「ったく、こりゃ後で響ちゃん説教してやらんとなぁ?」
「全くです」

 互いに苦笑しつつ、蔓延るノイズを始末する2人。

 その時、突如として2人の周りに無数の槍が降り注いだ。降り注ぐ槍は2人には命中せず、2人の周りに蔓延るノイズやメイジだけを正確に射貫く。

「「ッ!?」」

 突然の事に身を硬くする2人。2人が動きを止めたのは、予想だにしない攻撃に驚いた訳ではない。いや確かにこの攻撃にも驚いたが、2人が何よりも驚いたのは降り注いできた槍の形状だった。

 その槍は見紛う事ない、奏のシンフォギアのアームドギアだったのだ。

 つまり、この攻撃は――――

「奏……」

 思わず颯人が呟いた、その視線の先にはアームドギアを手に2人にゆっくりと近付いてくる奏の姿があった。彼女の目はどこか虚ろで、目の下には隈が浮いており普段の彼女の様子からは全く想像できない姿となっていた。
 変わり果てた奏の様子と先の戦闘で彼女に不意を打たれた事で、翼が表情を硬くする。

 翼が緊張したからか、それとも別の思惑があるかは分からないが、奏の姿を確認した颯人は翼の肩を掴むと彼女を自分の後ろに追いやった。

「は、颯人さん――!?」
「悪い、翼ちゃん。奏と2人きりにさせてくれ。頼む」

 颯人の言葉に勿論翼は反発した。颯人に取って奏が特別な
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