転んでもいいよ また立ち上がればいい
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弱気になったまま、黙って下を向いたままになる……」
「いいじゃないか……私がいれば、君はなんの苦労もなく、全ての苦しみから解放されるんだ。さあ、私の元へ……」
「やめて!」
一つ一つの言葉を必死に紡ぐ紗夜の前に、ココアが立ちふさがった。
「これ以上、紗夜ちゃんに付きまとわないで! 今紗夜ちゃんは、やっと一歩前に進めた! 紗夜ちゃんの頑張りを、邪魔しないで!」
「……小娘が……」
霧崎は、ギロリとココアを睨み、その腕から黒い雷を発射しようとした。
だが。
『ストライクベント』
「ぐっ!?」
そんな彼の腕に激突する、紅蓮の炎。
「何!?」
見れば、二体の闇のヒューマノイドと戦いながら、龍騎がトレギアへドラグクローを向けていた。
「へへっ! 悪いな! 外しちまった!」
「真司……!」
再び龍騎は、二体との戦いに戻る。右手にドラグクロー、左手にドラグセイバーを持ち、器用に戦いを展開していく。
「ああ……君たちは、本当に私を怒らせてくれる……」
霧崎はプルプルと体を震わせる。
「いいだろう……ならば、本気で戦ってあげよう」
そうして、霧崎はそれを取り出した。
群青色の機械。それを振り、中の機構を展開。目を覆うマスクとなる。
霧崎はウィザードたちに背を向け、舞台へ向き直る。
そして。
「最後の火ぶたは切って落とされた……幕開けだ」
霧崎は、背中を捩じりながら言った。頭を上からぶら下げ、さかさまになる形でマスク___トレギアアイを自らに被せた。
その闇の発光により、霧崎の姿が青い渦とともに変わっていく。
全ての元凶。トレギアに。
トレギアは肩を震わす。
「さあ……行こうか」
ファウスト、メフィストと並ぶトレギアに対し、ウィザードの隣に龍騎が並ぶ。
「まだいけるか?」
龍騎が、ウィザードの胸を叩く。
ウィザードは「ああ」と頷きながら、ソードガンを構える。
龍騎と互いに拳を突き合わせ、トレギアへ言い放つ。
「お前の作る悪夢は、もう……終わりにしよう……!」
「終わらないよ。……永遠に……」
そして放たれる、トレラアルティガイザー。
それが足元に着弾するよりも少し早く、ウィザードと龍騎は駆け出した。
「保登さん……」
彼らの戦いを見届けようとするココアの裾を、紗夜は掴んだ。
驚いたココアは、「何?」と振り返った。
「これを……」
紗夜が差し出したのは、以前ココアから借り受けた白いアイテム。日本刀を模した形のそれは、ココアの手に触れると、中心部の緑の宝石が再会を喜ぶように光を放った。
「これ……」
「保登さんはこれが何かは分からないよう
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