第百七話 曹操、司馬尉に詰め寄るのことその五
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既に宮廷はだ。多くの兵達に護られている。その彼等の間を通ってだ。曹操は馬で宮廷に入った。
すぐ後ろには夏侯姉妹に曹仁、曹洪の姉妹が控えている。その四人にだ。
曹操はだ。こう言うのだった。
「正念場よ」
「はい、司馬尉とのですね」
「決着の時ですね」
「絶対に許さないわ」
曹操の目がさらに鋭いものになる。
その目で夏侯姉妹を見てだ。彼女は言うのである。
「秋蘭を殺そうとしたことは」
「華琳様・・・・・・」
夏侯淵は主のその言葉にだ。思わず頭を垂れた。
そしてだ。そのうえで言うのだった。
「勿体ない御言葉」
「勿体なくはないわ」
しかしだ。曹操はこう夏侯淵に返した。
「貴女は私にとってかけがえのない娘の一人だから」
「だからですか」
「ええ。だからよ」
こう曹操は言うのだった。
「いいのよ」
「華琳様・・・・・・」
「いい?絶対に死んでは駄目よ」
曹操の言葉は続く。
「死んだら私が許さないから」
「はい」
夏侯淵は微笑みだ。曹操に応えた。
「私は何があっても死にません」
「安心しろ、私もいる」
夏侯惇もここで言ってきた。
「秋蘭を死なせはしない」
「姉者も言ってくれるか」
「当然だ。私達はいつも六人だった」
今ここにいる五人と袁紹だ。彼女達は幼い頃から共にいる。
だからだ。六人だというのだ。
それでだ。夏侯惇は話した。
「その六人が欠けることはない」
「そうだな。ではこれからも」
「私達は死なない」
強い声でだ。夏侯惇は言い切った。
「わかったな」
「わかった。それではな」
こうした話をしてだった。彼女達は朝廷に入った。そのうえでだ。
朝廷のあらゆる場所を固めた。それからだ。
司馬尉を待つ。帝の前には劉備達五人と側近達が集っている。そしてだ。
そこからだ。彼女達の前に来る女を待っていた。その中でだ。
関羽、劉備と共にいる彼女がだ。こう言うのだった。
「思えばだ」
「司馬尉だな」
「ああ、あの女はやはりだ」
こうだ。趙雲に話すのだった。
「よからぬ者だったか」
「よからぬどころではないな」
それに留まらないというのだ。趙雲は司馬尉についてこう話す。
「あの女は」
「よからぬどころではない?」
「そうだ。あの女はどうやらだ」
ここでだ。司馬尉についてだ。趙雲は言った。
「ただの人間ではない」
「ただの?」
「そうだ、ただのだ」
人間ではないと話すのだ。
「異形の者の血が入っているのだろうな」
「何っ!?ではあの女は」
「そもそもがオロチやアンブロジアに近いのだ」
それが司馬尉だというのだ。
「つまりだ。ここに来てもだ」
「妖術とか使ってきてもおかしくはないってんだな」
馬超がだ。
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