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私の中に猫がいる 完結
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 3月になって暖かい日に、早坂さんから、京都の美術館に行こうと誘われた。美術館のコレクションが展示されているらしい。そんなに興味があるわけではないが、断る理由も無かったので、行くことにした。

 今回は、京都駅からバスで平安神宮で降りた。ぷらぷら歩いて向かったんだけど、早坂さんはすーっと私と手をつないできた。まだ、私はそういうのって恥ずかしかったけど、この前は腕組んでいたんだと思って・・。

「動物園に入りたいなんて言い出すなよ」と、プチが、動物園の看板が見えた時に言ってきた。

「なんで、わかるのー」

「獣の臭いがする すずりちやんは、動物好きだからわかるさー 俺にも、苦手な動物だっているからな」

「そう プチって動物がみんな仲間かと思ってた」

「すずりさん なんか、ぶつぶつ言っている? 美術館、気がすすまないのかな」と、早坂さんも気づいたのかな

「いいえ そんなことないです 楽しみですよー」

 中に入っても、私は絵とかみても良さもわからないし、興味もなかった。だけど、早坂さんはじっくり見ている風だった。写真を撮るわけにもいかず、どっちか言うとつまらないままに出てきてしまった。

「お昼は手桶弁当と湯豆腐とどっちが良い?」と、聞かれて

「私、手桶弁当食べてみたいです」

 又、平安神宮の前を通って、そのお店まで歩いた。歩いている人達には、カップルが多い。手をつないだり、腕を組んでいる人も・・。女子だけのクループも居た、多分、卒業旅行かななんて思った。

 お店は、以前、独りで京都に来た時、すれ違った若いお母さんにごちそうになったお店の疎水を挟んで向かい側沿いだった。そうだ、この後、教えられていたフォトギャラリーに行ってみようと思いだしていた。お店の前には小さな階段があって、幸い、直ぐに席に通してくれた。数種類のメニューがあったが、手桶弁当を頼んだ。だいたいの人もそれだった。お客は女の人が多く、みんなその弁当のかわいらしさに魅かれてのことだろう。

「うわー きれい おいしそう」と、私が感激していると

「そう 喜んでもらえて良かった」

 食べ終えて、一緒に行って欲しい所があるとお願いした。多分、神宮の東っ側だと思うと、そっちに向いて歩いていた。スマホ頼りだった。

「去年の秋にね 一人で来て、この近くの疎水縁で写真撮っていたら、若いお母さんに声をかけられてね お昼ごちそうになっちゃったの その人の大学の時のお友達に私が似ているんだって その人のご主人がカメラマンで、この近くでフォトギャラリーをやっているから、機会があれば寄ってくださいって誘われていたの とっても、綺麗な人だよ」

「そうだったの それは、興味あるね」

「早坂さんは、どっちに 興味あるの?」

 神宮
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