第百七話 曹操、司馬尉に詰め寄るのことその二
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「奴自身はオロチが来たら容赦しないけれどな」
「そのオロチの炎が燃えている」
「ということはなのだ」
「ああ、司馬尉とオロチの奴等は間違いなくグルだ」
このこともはっきりしてきたというのだ。
「他の刹那なりアンブロジアなりもな」
「二階堂さん達の世界のあらゆる連中が司馬尉と一緒になって」
「この国をおかしくしようとしているのだ」
「やばい奴等がてんてこ盛りだな」
二階堂はこんなことも言った。
「こりゃ激しい戦いになるぜ」
「それはもうどんと来いなのだ」
張飛は自分の左手でその胸をどんと叩いて言い切った。右手には蛇矛があり立てられている。
「オロチでも何でもやっつけてやるのだ」
「そうね。都に戻ったら」
馬岱も張飛と同じ考えである。
「司馬一族をぎゃふんと言わせてやるわ」
「あの一族と決戦だな」
二階堂もこのことについて言う。
「さて、都に帰ったら大勝負だな」
「ええ、そこでも頑張りましょう」
「やってやるのだ」
山は隅から隅まで調べられそのうえでだ。
結界は全て壊された。それが終わってから軍は都に引き返した。
その途中でだ。孫策は袁術に囁いた。孫策は馬に乗り袁術は張勲が操る馬車に乗っている。その馬車のところに来てであった。
「ねえ、いいかしら」
「どうしたのじゃ?」
「正直夏侯淵達は無事だったけれどね」
「それでもじゃな」
袁術もだ。眉をひそませてだ。孫策に応える。声は自然と小声になっている。
「あちらの世界の者達は」
「あの集めていた気のことをね。穏に聞いたのよ」
「それで陸遜は何と言っておるのじゃ?」
「あの気は。人の怨念や悲しみや憎しみを集めたものらしいわよ」
孫策は剣呑な顔で袁術にこう囁く。
「そうしたものを集めていけば巨大な負の力になるそうよ」
「それでは太平要術の書と同じではないか」
「そうよね、同じよね」
「あの山は元々霊力が強いと聞くが」
「穏はそのことも言ってたわ」
この辺りは流石だった。陸遜の学識は尋常なものではない。
「山は元々霊力が集る場所だけれど」
「あの山は特にじゃな」
「そうよ。負の力でも集めやすいから」
「成程、だからですね」
馬車の手綱を握る張勲も話に加わってきた。
「あの山に結界を置いて」
「それでよからぬ気を集めて」
「その気で碌でもないことをしようと考えていたのね」
「司馬尉は何のつもりなのじゃ?」
孫策の話を聞いてだ。袁術は。
腕を組み難しい顔になって言った。
「わらわ達を失脚させるにしては大掛かりに過ぎるぞ」
「ううん、そうよね。過ぎてるわよね」
「これではあれではないか」
ここでだ。袁術の勘が働いた。
「この国を破滅させるとかそういう類ではないか」
「あっ、確かに」
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