第百七話 曹操、司馬尉に詰め寄るのことその一
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第百七話 曹操、司馬尉に詰め寄るのこと
夏侯淵を救った劉備達は定軍山を徹底的に洗った。既にオロチ達は何処かに姿を消している。
森の緑の木々の中を進みながら。馬岱が眉を顰めさせながら隣にいる張飛に言った。
「いつもながら逃げ足速いよね、あいつ等」
「全くなのだ」
その通りだとだ。張飛も頷いて返す。
「今度こそはと思ったのに残念なのだ」
「そうよね。今度見つけたら」
「成敗してやるのだ」
「そうだよな。今度こそはな」
二人のところに二階堂が来て言う。
「あの連中に止めさすぜ」
「ああ、そういえば二階堂さんってあっちの世界でもよね」
「あの連中と戦っていたのだ」
「最初はほら、いただろ」
自分に顔を向けてきた馬岱と張飛に二階堂はこんなことを話した。
「あのルガールって奴な」
「片目で金髪のでかいおっさんよね」
「あの馬鹿みたいに強い奴のことなのだ?」
「あいつと戦ったんだよ」
話は最初のキングオブファイターズの頃のことだった。
「いや、洒落にならない強さだったぜ」
「そうよね。烈風拳にカイザーウェイブ出してきて」
「近寄るとジェノサイドカッターなのだ」
「あいつと戦って倒したんだよ」
「それがはじまりで?」
「それからオロチだったのだ」
「ああ、ネスツとも戦ったしな」
二階堂にとってはどの戦いも忘れられないものだ。
その戦いのことをだ。二人の少女に話していく。
「思えば連中とも長い腐れ縁だぜ」
「正直有り難くない縁よね」
「遠慮したいものがあるのだ」
「ああ、俺もな」
実際にだ。彼もそう思っているのだった。
それでだ。こうも言う彼だった。
「それでこっちの世界でもだしな」
「二階堂さん達も大変ね」
このことは馬岱にもよくわかりだ。それで頷いてだ。彼に言う。
「戦ってばかりで」
「それはお互い様だしな。それにしてもな」
「それにしても?」
「事実がわかってきたな」
二階堂の顔がここで真剣なものになる。その顔でだ。
彼はだ。二人にこうも話した。
「夏侯淵さんがこの山に来たのはあれだろ」
「そうなのだ。最初は桃香お姉ちゃん達だけが知ってることだったのだ」
「知ってたのはその劉備さんと」
二階堂の目が鋭くなる。その目でだ。
彼は話す。そのことは。
「袁紹さんに曹操さん、袁術さんに孫策さんに」
「あの女なのだ」
張飛の顔に嫌悪が入った。その顔での言葉だった。
「司馬尉なのだ」
「ってことはだ」
「あの女が仕組んだことなのだ」
「その話を聞いてオロチとかをこの山に先回りさせてたってことだな」
このことがだ。明らかになったというのだ。
「それにこの山自体がな」
「あちこちに
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