第三百二十七話 お餅つきから帰ってその十三
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「そのことを思いますと」
「はい、神仏を共に信じて」
「天理教もその中にあって」
「キリスト教もです」
「そうしていいですね」
「私はそう思います、聖徳太子が神仏を共に敬う様に言われたことは」
「素晴らしいことですね」
「そうかと」
弥生時代にこの方がそうされたことはというのだ。
「それからです」
「日本では宗教の争いは少ないですね」
「一向一揆はありましたが」
戦国時代のそれはだ。
「ですが」
「全体的に少ないですね」
「一向一揆も実はです」
織田信長なんかはとんでもない戦いをしたけれどだ。
「他の国の宗教戦争と比べれば」
「遥かにましでしたね」
「別ン異端とも邪教とも思われていませんでした」
織田信長も敵だから戦っただけだ。
「ですから」
「それじゃあですね」
「皆殺しもです」
これもだ。
「しませんでした」
「そうですよね」
「島原の乱も降れば」
「あそこまでなりませんでしたね」
「誰も降らなかったので」
一揆に参加した人達がだ。
「それで、でした」
「あそこまでなりましたね」
「降ればよし」
「それだけで違いますね」
「宗教戦争ではそれがないです」
「キリスト教は」
「イスラムなら改宗すれば」
それでだ。
「許されましたが」
「その辺り寛容ですよね」
「はい、ですがキリスト教は」
「とてもそんなのじゃなくて」
「十字軍も三十年戦争も」
「無茶苦茶でしたね」
十字軍は中東だけじゃない、東欧でもフランス南部でもだった。その酷さは日本の歴史にはなかったものだ。
「本当に」
「それもなかったので」
「よかったですね」
「はい、そして義和様も」
「全部の宗教を巡って」
「神仏に親しまれて下さい」
「そうしてきます、それがいいですからね」
信仰、それはだ。
「そうしてきます」
「それでは」
畑中さんも微笑んでくれた、そうしてだった。
僕はやることを済ませてから眠りに入った、そのうえで大晦日を迎えた。
第三百二十七話 完
2021・4・8
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