提督のBlackOps遍
訪問者
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在を相手にする……それは人間同士の戦争と変わらない。その上、敵は身内。国内の度の鎮守府が敵か味方か解らない状態で内戦に突入などしたら、待ち受けるのは規模が拡大した戦国時代の再来だ。
「笑えないジョークですね」
「ジョークで済んでる内は笑い話だけれどね。私が内密にここに来た理由、納得頂けたかしら?」
「んで?俺にどうしろっての」
龍田はそこで居住まいを正し、改めて頭を下げる。
「金城零二提督、軍令部として要請します。海賊行為を働いている艦隊の特定、及び原因の調査。そしてその是正を」
「是正、ねぇ……出来なかった場合は?」
「戦力の減少は避けたいですが、綱紀粛正の為にも“処分”をお願いします」
「処分って……」
艦娘にとって処分と解体は似ている様で大きく違う。解体とは、戦闘行為が出来なくなった艦娘を穏当に艦娘としての能力を除去して一般人にする事だ。対して処分は物理的に抹消する事……つまりは殺害すらも辞さないやり方だ。
「ま、上官不服従は銃殺されても文句が言えねぇってのが軍の伝統というからな。引き受けましょう」
「提督、それはあまりに……」
何かを言い募ろうとした大淀の腕を掴んだのは金剛だ。その顔は苦虫を万匹噛み潰した様に歪んだまま、左右に首を振る。金剛も判っているのだ、普段厳しいが誰よりも優しい提督がこうもアッサリと受け入れたのは自分達の為なのだと。
「そう、受けてもらえて助かるわ。じゃあ私はこれで」
「おいおい、もう帰っちまうのか?飯でも食ってけよ。ご馳走するぜ」
「遠慮しておくわ。だって……そんな殺伐とした貴方の顔を眺めながら食べても、美味しくなさそうだもの」
そう言って、突然の訪問者は去っていった。
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