第三章
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「今度黒タイツと半ズボンとか」
「君もそう言うの?」
「駄目かな」
「タイツでっていうのね」
「それで半ズボンか長ズボンで」
その服装でというのだ。
「来て欲しいけれど」
「あの舞台から皆によくズボンでって言われるけれど」
「僕もね」
要蔵にしてもというのだ。
「似合ってると思うから」
「それでなのね」
「うん、出来たらね」
「タイツでなの」
「半ズボンか」
「ズボンね」
「それで来てくれるかな」
「私スカートがね」
実はとだ、宏美は話した。
「好きなんだけれど」
「まあそれでもね」
「ズボンね」
「それかタイツで」
「じゃあ半ズボンで」
宏美は仕方ないわねといった顔で要蔵に答えた。
「それでね」
「タイツだね」
「寒いから下にストッキング穿くけれど」
タイツの下にというのだ。
「いいよね」
「うん、それはね」
「それじゃあね。そんなに私のタイツ姿似合ってたの」
「そうだったと思うから」
要蔵にしてもというのだ。
「だからね」
「タイツを穿いてなのね」
「デートに来てね」
「わかったわ」
やれやれといった笑顔でだった。
宏美は要蔵に応えて実際にまずはショーツの上にストッキングを穿いてだった。
そこから黒タイツを穿き半ズボンを穿いた、上はセーターとコートを着てそうしてデートに行くと。
要蔵は大喜びだった、そうしてデートの間ずっとにこにことしていた。そのうえで二人でホテルに入ると。
ホテルの人に驚かれて言われた。
「男の人二人ですか?」
「あっ、私女の子ですから」
宏美はホテルの人に驚いて答えた。
「ちゃんと」
「あっ、声はそうですね」
「はい、女の子ですから」
勿論年齢は言わなかった。
「大丈夫です」
「まあ男の人同士でもいいですけれどね」
「そうなんですか」
「ただうちには滅多にないので」
男同士でこのホテルに来る人はというのだ。
「つい驚いて」
「言ったんですか」
「はい」
そうだというのだ。
「ですがそれなら」
「後はお部屋をですね」
「選んで下さい」
「何処がいいかな」
要蔵はその部屋を見て言った。
「それで」
「そうね」
部屋はもう可愛い部屋だった、宏美がその部屋を選んでだった。
二人で楽しんだ。その後で要蔵はベッドの中で言った。
「服は男の子みたいだったけれど」
「それでもっていうの」
「服を脱いだら変わらないね」
隣に寝ている宏美に話した、二人共ベッドの中である。
「全く」
「私は私ってことね」
「うん」
そうだというのだ。
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