第一章
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姉に負けない
石川彩花の姉である麻衣は出来ることで有名であった。
小学校から高校まで成績優秀で公立大学の法学部を優秀な成績で卒業して政令指定都市の市庁で上級職として働いている。
きりっとした顔立ちでスタイルもよくまさに才色兼備である。
だがその姉に対してだった。
彩花は容姿も学校の成績も姉程ではなかった、それで大学もだった。
何とか姉と同じ大学に入ることが出来たがだった。
「お姉ちゃんは法学部の首席だったのに」
「お前はって言うんだな」
「駄目だっていうのね」
「ええ、どうもね」
家で両親に話した。
「ぱっとしないわね」
「自分と他人を比べなくていいだろ」
「私達そんなこと言ったことないでしょ」
両親は家でぼやく彼女に言った、黒ケミのロングヘアを後ろで束ねて濃い眉にやや細い目で普通の大きさの唇を持つ一五六センチ程の背の彼女に。服装は今は部屋着でありラフなものであるがそこから見えるスタイルも他の部分も平凡だ。
「あんたがどうとか」
「お姉ちゃんがとかな」
「姉妹で比べないわよ」
「どちらも娘だしな」
「あんたはあんた」
「お前はお前だ」
一家で夕食を食べながら話している、メニューは海老フライとキャベツとトマトとレタスのサラダに玉葱と人参と鶏肉のスープである。見れば父は眼鏡にセンター分けの白髪の髪の一七〇センチ位の背のやや太った男で母は黒のショートヘアで彩花と同じ眉と目の彼女と同じ位の背の初老の女である。
二人も食事を食べつつ言うのだった。
「人はそれぞれだ」
「得手不得手があるわよ」
「お前も同じ大学だしな」
「公立のね」
「だったら悪くないだろ」
「劣等感とか抱かないの」
「けれど学部違うし」
そこを言う彩花だった。
「お姉ちゃんは大学で一番偏差値の高い法学部でね」
「しかも首席」
「そうだっていうのね」
「私は文学部でね」
大学の中で普通の、というのだ。
「しかも成績は単位は落とさない」
「それ位っていうんだな」
「あんたは」
「姉妹でこれだとね」
どうしてもというのだ。
「流石に劣等感感じるわ」
「じゃあお前それ麻衣に言われたか」
父は娘に問うた。
「あいつに」
「お姉ちゃんに?」
「麻衣がそんなこと言ったか」
「私は出来るのにあんたはとか」
「そんなこと言ったか」
「お姉ちゃん完全に自分は自分だから」
両親が言う考えの人間だとだ、彩花も答えた。
「それは」
「そうだな」
「そんなこと言われた記憶ないわ」
一切という返事だった。
「それこそね」
「だったらな」
「気にしないの」
母も言ってきた。
「お姉ちゃんもそう言うなら」
「気にするなっていうの」
「そう、絶対にね
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