第百六話 夏侯惇、妹を救うのことその六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「こういうことよ」
「そういうことね」
話を聞いてだ。ミヅキは言った。
「だから五人と言ったのね」
「そうよ。貴女達の強さは知っているわ」
黄忠は刹那とミヅキを見据えながら言葉を返した。
「だからよ。私達五人で」
「相手をする!」
関羽も言う。それを受けてだ。
ミヅキはだ。悠然とした笑みを浮かべた。その笑みでだ。
五人にだ。こう問うたのだった。
「話はわかったわ。けれど」
「けれど。何なのだ」
「私達の強さを知っているのなら」
そのだ。彼等の強さならどうかというのだ。
「それなら五人で私達の相手になるのかしら」
「無理だ」
刹那もそれを言う。
「我等二人を五人で相手にするにはだ」
「精々私か刹那のどちらか」
それで五人をだというのだ。
「どちらを相手にするかね」
「少なくとも五対二では貴様等に勝てはしない」
このことも言う二人だった。
「相手にするのなら異存はないが」
「どうするのかしら」
「言った筈よ」
黄忠もだ。悠然とした笑みになりだ。
それでだ。こう二人に返したのだった。
「本陣が到着したのよ」
「何っ!?」
「ここに来るのは私達だけじゃないわ」
「そうか」
刹那は黄忠の言葉を受けてだ。それでだった。
納得した声を出してだ。そのうえで話したのだった。
「そういうことか」
「さあ、来たのだ」
張飛が言うとだった。今度は。
五人来た。彼等は。
「貴様の相手はだ」
「我等だ」
示現と嘉神がだ。刹那に告げる。
「今ここでだ」
「貴様を封印させてもらう」
「そういうことか」
刹那の表情は変わらない。
「俺の相手は貴様等か」
「姉さんを犠牲にはしない」
「主はここで我等だけで封じる」
楓と翁もいる。
「それなら」
「今からじゃ」
「そしてだ」
守矢もいた。彼はだ。
楓のところに来てだ。こう彼に告げた。
「私も戦わせてもらう」
「兄さんもまた」
「そうだ。雪はここには来させていない」
「そうしてくれたんだね」
「そうだ。劉備殿達にもお話した」
そうしたというのだ。
「だからだ。今はだ」
「僕達だけで」
「倒し、封じることができる」
倒す、それが即ち封じることだった。
「ではだ」
「うん、やろう」
兄弟はそれぞれ左右になりだ。剣を構えた。
そうしてだった。嘉神がだ。
その守矢にだ。こう告げたのだった。
「守るものの為に戦うか」
「そうだ」
まさにだ。その通りだとだ。守矢はその嘉神に返した。
「私の守るものはだ」
「妹、そして弟だな」
「その為に私は戦う」
また言う守矢だった。
「だから今ここにいる」
「わかった」
それを聞いてだ。嘉神も。
構える。そう
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ