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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
第百六話 夏侯惇、妹を救うのことその五
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 それからだ。二人に言うのだった。
「あたしだけじゃないんだよ」
「貴様だけではないというのか」
「ああ、そうさ」
 不敵に笑って応えるとだった。彼女の横に。
「間に合ったな!」
「ああ、丁度いいところだよ」
 紅の蝶の仮面の女がすくっと立っていた。それは。
「愛と正義の戦士華蝶仮面!」
「主は確か」
 ミヅキがだ。その華蝶仮面とやらを見て言った。
「趙雲といったな」
「そうだったな。その服に髪型」
 刹那にもわかることだった。
「それならだば」
「間違いないな」
「そんな者は知らんが」
 当人はあくまでシラを切る。
「誰だ、その趙雲というのは」
「おい、もうばれてるからな」
 馬超も彼女に言う。
「無駄だぞ」
「さて、何のことなのか」
「木陰に入って覆面取って来い」
 馬超は華蝶仮面にまた話す。
「いいな」
「ふむ。ではだ」
 彼女はどこかに消えてだ。そうしてだった。
 趙雲が出て来た。そのうえで刹那達にあらためて言うのだった。
「趙雲子龍参上」
「わかった」
 刹那がその名乗りに応える。
 そうしてだ。こう言うのだった。
「先程の妖怪達は何処かに消えたが」
「確かに。面妖なことに」
 ミヅキもあの怪物達のことに言及する。見れば彼等がこれまで戦っていた筈のあの妖怪達は何処かに消え去ってしまっていた。
「その代わりにこの二人というわけね」
「相手にとっては不足か」
 それはだ。不満があると言う刹那だった。
「二人ではな」
「確かに。この二人では」
「我等二人の相手にはならない」
「敵ではない」
 こう言う彼等だった。
「所詮はな」
「確かにな。この連中の力は」
「尋常ではない」
 それはだ。馬超も趙雲も認めた。
「あたし達二人でもな」
「片方を相手にすることも難しいだろう」
「わかっているのね」
 ミヅキはその彼等の言葉を聞いて述べた。
「一応は」
「わかってはいる」
 趙雲が言葉を返す。
「それはだ」
「なら話は早い。このまま」
「死ぬことだな」
 ミヅキだけでなく刹那も構えに入る。しかしだ。
 馬超と趙雲の後ろからだ。彼等が来たのだった。
「よし!」
「間に合ったのだ!」
 関羽と張飛がだ。二人の横に来て言う。
「本陣も到着した!」
「共に戦うのだ!」
「よし、来てくれたな」
「これで話が変わった」
 馬超と趙雲は二人を左右に見てだ。それで言うのだった。
「それじゃあな」
「これで五対二だな」
「五人?」
 その数詞にだ。ミヅキは眉を動かした。
 そのうえでだ。四人をあらためて見て言った。
「嘘を言っている訳でも愚かでもないようだな」
「そうだ、何故ならだ」
「もう一人来るのだ!」
 こう言うとだ。四人の
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