第百六話 夏侯惇、妹を救うのことその四
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
兵の一人の槍が折れた。そこにだ。
白装束の者達が襲い掛かる。だがここで。
何かが一閃して。それでだ。
白装束の者達が真っ二つにされる。その一閃の主が。
兵達の前にいた。それは。
「間に合ったな」
「えっ、張遼様!?」
「まさかもう」
「来られたのですか」
「そや、間に合って何よりや」
にやりと笑ってだ。張遼は自分の背にいる兵達に話した。
「危ういところやったで」
「有り難うございます」
「いや、本当に危ないところでした」
「ただ」
「何でうちがこんなにはよ来れたかやな」
話はそこだった。張遼もわかっていた。
それでだ。彼女はその得物を縦横に振るいながら兵達に話したのだった。
「用意しとったさかいな」
「だからですか」
「それでこんなに早くですか」
「来られたんですか」
「道中に飯や武具や馬を用意しといて山の手前まではただひたすら駆けたんや」
駆けながらだ。食べもしていたことを彼等にも話した。
「山のすぐ側に武具を置いてあったしな」
「だからですか」
「こんなに早くですか」
「援軍に来られたんですか」
「そや。要は速さや」
張遼は兵達に楽しげに笑って話した。
「速いに越したことはないで」
「そういうことだ!」
今度はだ。華雄だった。
彼女は斧を振るいだ。白装束の者達を薙ぎ倒している。そうしながらだ。
彼女はだ。こう話すのだった。
「備えてあればこうして間に合わせることもできるのだ」
「そういうこっちゃな。しかし華雄ちょっとええか?」
「何だ?」
「あんた先陣におったんか?」
こう華雄に尋ねるのだった。
「姿見んかったで」
「私は最初からいたが」
「そうやったか?」
「そうだ。気付かなかったのか」
「ちょっとな。あんたとは長い付き合いやけれどな」
それでもだ。気付かなかったというのだ。
「今回は気付かへんかったんや」
「ううむ、そうだったのか」
「済まん」
張遼は素直に謝罪した。
「気付かんかってな」
「いい。私は長寿であればいいのだからな」
「それでええんかいな」
「そうだ。ではこの戦いもだ」
「ああ、勝ってな」
「生き残るとしよう」
こうしてだった。二人は並んで戦いだ。白装束の者達を薙ぎ倒していくのだった。
馬超は刹那、そしてミヅキと戦っていた。その槍を何度も突き出しだ。
二人を寄せ付けない。しかしだ。
刹那が防ぎながらだ。こう言ってきたのだった。
「確かに強いが」
「強くてもってのかよ」
「貴様は今一人だ」
刹那が言うのはこのことだった。
「だからだ。やがてはだ」
「負けるっていうのかよ、あたしが」
「そうだ。我等は二人」
ミヅキと合わせてだ。二人だった。
「貴様はやがて力尽き敗
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ