第八話:もっと遥か高みの為に、帰宅するサイヤ人
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友人を作ることができず、作れなかった原因を治したというのに今度はソレが原因で関わりが難しくなり、自然とラクサスから離れていく子供たち。
ラクサスは天才だ。
魔力も魔法も並の魔導士とは比べるまでもなく極上級ともいえる才能。
なによりも自身やもう一人の男で強さに惹かれ、益々友を持つことが困難になりかけた。
そんなラクサスと、肩を並べるに足りえる少年が現れた。
孫と同じ、強さに惹かれ、努力を惜しまないであろうサイヤ人が。
天才と秀才、しかし相成れる二人の少年。
「一足にワシァギルドに戻るぞィ。二人とも、遅くなっても良いがなるべく早くマグノリアに来るように」
「わーってるよ!っと…じぃじ!!!!」
「?」
二人と別れ、機関車の駅へと向かおうとする祖父に孫は呼び止める。
それはどこまでもありふれた光景だ。
「ネロの姉貴をギルドに連れてきてもいーか!!」
まるで友人をうちの中に入れたいとでもいうような言葉。
マカロフは口角を上げて答えるのだった。
「好きにせぇい…妖精の尻尾は…来る者を拒まん!!」
祖父と孫のやり取りを傍で見ていた少年は目を見開き、好敵手になった少年はしてやったような、晴れた年相応な少年の笑顔を浮かべた。
「家族、一緒に居た方がいいだろ!!」
★★★★★★★
「あら、潮時ですか」
水晶に映る映像を眺めていた女はぼんやりと呟いた。
場所はクロッカスの借宿。
ベットに腰を掛けながら見つめていた光景に女は見つめていた手程の大きさの水晶を東洋の服で花のように少し開けた着物の袖の中に仕舞い込み、宿から出ていく。
「まさかこの時期であのギルドに行きますか…もう少しだけ、家族で居たかったのですが」
物思いで耐えきれなかった感情からこぼれる一言。
目的地に足を運ぶ女は唯々、暗くなりそうな空を眺める。
周りの明かりでまだ見えない星を想いに為せるように、女は呟いた。
「明日の、いえ…未来のあの日までに、月は綺麗でしょうか…ネロさま」
額にある紋様が現れ、そっと闇を宿した目で空の下で女は憂鬱そうに歩く。
彼女の中にある感情は愛か哀か―――
悪魔は、少年たちと同じ目的地へと旅立つ。
本来の役目に、やってくる終わりに向けて。
これより始まるは、少年の第一の最悪へと。
全ては――創造主のために。
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