納得いかない
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二人。その意味がわからずウェンディと顔を見合わせていると、すぐにその理由がわかった。
「「うぷっ・・・」」
顔が血の気が引いていき、立っていられないほどの吐き気に襲われる。そう、船が動き出してしまったことにより、俺たちは乗り物酔いを起こしてしまったのだ。
「ほら、言わんこっちゃない」
「いつも忘れちゃうよね〜・・・」
普段は乗り物にほとんど乗らないから、こういう時になってから思い出すことが多い気がする。そのまま動けずにいると、足音が近づいてくるのがわかった。
「ヤバい・・・結構近い・・・」
「シャルル・・・セシリー・・・どこか隠れられそうなところない?」
「ちょっと待ってなさい」
「すぐ運ぶから〜」
リュックから出てきて俺たちを運ぼうとしてくれる二人。大丈夫、足音の大きさからここに来るまではもう少しかかると思われる。慌てずに移動できれば・・・
ドンッ
「「「「!?」」」」
そう思っていたのに、突然近づいてきていた足音の主は、一瞬のうちに俺たちの目の前まで飛んできていたのだ。
「え?」
「は?」
何が起きたのかわからない。まさか俺たちをこの薄暗い中、それなりの距離がある状態で見つけてジャンプしてきたってことなのか?
もしかしたらとんでもない奴がいたのかもしれないと思っていると、そいつはその場にしゃがみ、俺たちの顔を覗き込む。
「お前ら・・・また乗り物酔いしてんの?」
「「「「??」」」」
また?こいつは俺を知っているのかとぐるぐるする視界の中声の主を思い出そうとするが、誰だろう・・・聞き覚えはあるのにパッと浮かんでこない。
タッタッタッタッ
そうこうしている間に今度は駆け足で近づいてくる足音が二つ。その主たちは俺たちの前まで来たかと思うと、先程の彼と同様にその場にしゃがんで俺たちの顔を覗き込む。
「大丈夫?ウェンディ、シリル」
「シャルル!!セシリー!!久しぶり!!」
今度は聞き覚えのある声。一人大きな声を出していて咎められているが、何とかぐらつく視界の中顔をあげる。
「シェリア・・・」
「ラウル・・・久しぶり・・・」
赤紫色の髪の毛をビッグテールにしている少女とオレンジ色の髪を無造作に伸ばしている少年。この二人を見て安心したが、その際わずかに視界に入った人物を見て俺たちはぎょっとした。
「ティ・・・ティオス・・・」
今まで最強の敵だったと言っても過言ではない相手が目の前にいる。しかし、そいつからは一切の敵意は感じられず、俺の口から出たその名前を聞いて、シェリアと共にタメ息をついていた。
「また間違えられた」
「瓜二つだもんね」
「そりゃ本人と言えば本人だし」
かつての敵と仲良さげに話している二人を見
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