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渦巻く滄海 紅き空 【下】
五十一 不死コンビVS宿敵コンビ
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斬は思いっきり首切り包丁を振り回した。
その刃の上に乗ったカカシが、首切り包丁を足場にして、角都目掛けて一気に飛躍する。

カカシ本来の跳躍力に加え、再不斬の怪力を加えた遠心力。
上乗せされた飛躍力で、水龍の中を突っ切り、角都の目の前にカカシが一瞬で躍り出たのだ。

そして【雷切】を放った結果が、今の角都の有様だ。
倒れ伏せた角都の傍へ降り立ったカカシが、己の【雷切】で穿った男の身体を見下ろす。

確実に心臓は潰した…だが。


「やはり。本体を叩いても動くか…」

能面の化け物がのそり…と、カカシと再不斬を取り囲む。
最初に【雷切】で心臓を一突きした際も能面の分裂体は動いていた。

よって現在、主を失っても、風遁の化け物と雷遁の化け物は、敵を殲滅せんと、ぱかり、口を開く。



「行け、シカマル!」
「影真似の小僧!てめぇはてめぇの為すべき事をしやがれ…!」



化け物からの攻撃を回避しながら、カカシと再不斬が叫ぶ。
秘かに影で拾ったチャクラ刀を腰のポーチに収納したシカマルは、改めて飛段を見据えた。







天は敵に味方した。
曇りゆく空を仰ぎ見たシカマルはそう思わざるを得なかった。
空も戦況も雲行きは怪しく、敵は不死身だ。


しかし、それがどうしたと言うのだ。


カカシの【雷切】の光を利用して敵を見事拘束してみせたシカマルは、空を仰いだ。

飛段の手から三刃の鎌を取り落とす。
地面へ転がった鎌のカラン、という金属音が、次第に晴天となりつつある空の下で響き渡った。


徐々に太陽が顔を出し、晴れゆく空。
ナルの瞳そっくりな青い空を眩しげに見上げ、シカマルは不敵に笑った。





「それじゃ…愉しい愉しい散歩と洒落こもうぜ──不死者さんよ」

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