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ドリトル先生と幸せになる犬
第五幕その九

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「飼う以前にだよ」
「犬という生きものを知っていれば」
「常識だよ」
 そうしたものだというのです。
「本当に」
「そうですよね」
「そして一日中ケージに入れてね」
「閉じ込めてですね」
「お散歩に連れて行かない、ブラッシングもしない、当然時々出すこともしない」
「無視してですね」
「自分達の子供で遊んでばかりでね」
 育てているととは言いませんし考えてもいません、先生はそうした人達のことがもうわかっているからです。
「そして遊んであげたり遊ばせることもね」
「しないんじゃ」
「鳴くね」
「どんな子でもそうなりますね」
「人間だってだよ」
「一日中檻に入れたら」
「そうなるよ」
 人間もというのです。
「そうなるよ」
「そうですよね」
「ましてあの娘はね」
 ふわりはといいますと。
「ストレスが溜まって鳴いていなかったよ」
「それは我慢していましたね」
「驚く位我慢強い子でね」
 お姉ちゃんになる、なったから我慢していたことを先生はよく知っています。そのことも素晴らしいというのです。
「それでね」
「そのことは我慢して」
「ずっと飼い主達を呼んでいたんだよ」
「自分はここにいるって」
「聞こえないのってね」
「それでもですね」
「性格が変わってね」
 その性格のお話もです、先生は言いました。
「自分達が望む様な」
「それも一切振り向かないで」
「それで朝から晩まで吠える」
「それが五月蠅い」
「口実は自分も赤ちゃんも参る」
「産まれたばかりの」
「実は邪魔になってね」
 それでというのです。
「殺処分になってもいいだよ」
「本当に最低ですね」
「そんな人達が考えをあらためてくれれば」 
 心から思う先生でした。
「本当にそう思うよ」
「そこまで人間として駄目いや人間失格になってるとね」
 王子はこう思うのでした。
「もうね」
「考えをあらためないね」
「どうにもならないよ」
 これが先生の思うところでした。
「どうしようもない人達だよ」
「殆どの人がそう思うね」
「千人いたら九百九十九人が思うよ」
 それこそというのです。
「もうね」
「そうなってだね」
「そう、そしてね」
「そのままだね」
「堕ちるだけだよ、今でも最低だけれど」 
 それでもというのです。
「下には下があるから」
「さらにだね」
「堕ちてね」
「それでだね」
「どうしようもなくなるよ」
「僕もそうなる可能性は極めて高いと思うよ」
 先生もでした。
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