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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第8節「エルフナイン」
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「こいつが、ロンドンで天羽々斬を壊したアルカ・ノイズ……」
「ああ。我ながら上手く描けたと思う」
「一体どんなアルカ・ノイズだったんですか?」

翼からスケッチブックを受け取り、描かれたものを見るクリスと純。

そこにあったのは……小学生が描いたような、とても拙い侍の絵であった。
どこからどう見ても、アルカ・ノイズの姿ではないと断言出来る。

「あ、アバンギャルドが過ぎるだろッ!?現代美術の方面でも世界進出するつもりかッ!?」
「つ、翼さんは独特な感性をお持ちのようで……」

クリスの鋭いツッコミと、純の何とも言えない苦笑いが、弟である翔からの「もはや画伯」という評を裏付けていた。

そんな中、マリアと奏は厳しい顔をしていた。

「問題は、アルカ・ノイズを使役する錬金術師と戦えるシンフォギア装者が、ただの一人だという事実よ」
「翔と純がいるとしても、RN式にはまだ時間制限がある。頼りきることは出来ない」
「それでも、僕にはアキレウスのスピードが。翔には遠距離攻撃の手段があります」
「要はあの白い解剖器官に触れなければいいんだろ?なら、時間制限以内に倒せない相手でもないさ。……問題はあの自動人形、オートスコアラーだな」

翔も、純も、各々エルフナインから得たアルカ・ノイズの情報を元に、今の状態でも戦えるよう対策を練っている。

だが、響は浮かない顔をしていた。

「戦わずに分かり合う事は、出来ないのでしょうか……」

そう言って俯く響。
マリアは響へと、厳しい表情を向ける。

「逃げているの?」
「逃げているつもりじゃありませんッ!だけど適合して、ガングニールを自分の力だと実感して以来、この人助けの力で誰かを傷付ける事が……すごく嫌なんです」

立ち上がって反論する響。
だが、その表情には迷いと、どこか怯えているような色が見て取れた。

そんな響を真っ直ぐに見据えて、マリアはハッキリと告げる。

「それは、力を持つ者の傲慢だッ!」
「まあ落ち着きなよ、マリア」

奏はマリアの肩にポン、と手を置く。

「奏さん……」
「でも、そうだね……」

奏なら自分の肩を持ってくれる。
そう期待した響に対して、奏が投げかけた言葉は──他の誰よりも厳しかった。

「戦う理由を失ったやつに、あたしの槍を振るう資格はないよ」

ff

(わたしは……そんなつもりじゃないのに……)
「……」

黙って俯きながら歩く響。
その顔を見つめながら、翔は響の隣に寄り添うように歩いていた。

「きゃあああああッ!」

その時、詩織の悲鳴が耳を突く。

「何──……ああッ!?」

道の先を見ると、そこには……

髪の毛が白くなり、生気を吸われたように干から
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