第8節「エルフナイン」
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
何やら歯切れの悪い藤尭、珍しく言い淀んでいる友里に、響を始め、装者達は首を傾げる。
「彼女、エルフナインちゃんに性別はなく、本人曰く、自分はただのホムンクルスであり、決して怪しくはないと──」
『あ、怪しすぎる(デース)ッ……!』
装者と伴装者一同は、声を揃えて突っ込むのだった。
それと、エルフナインの肉体をくまなく調べたい、と研究者としての学術的探究心を暴走させかけた了子は、奏に引っ張られていったとか。
ff
翌日、響と翔はいつものように、未来や弓美ら三人娘、そして純や紅介らUFZと共に下校していた。
クリスと2人で下校しているイメージが強い純だが、互いにクラスメイトとの時間も大事にしているため、一緒に下校するのは週2と決めているらしい。
(ホムンクルス──性別はないって、エルフナインちゃんの体ってどうなってるのかな……?)
「──わたし的には、ツイてるとかツイてないとかは、あんまり関係ないと思うんだけど……」
「ええええええええええッ!?」
「うおおおおッ!?どうした響!?」
突然大声を出す響に、翔は思わず耳を押さえながら振り向く。
「ビッキー、何をそんなに驚いてるの……?」
創世たちも首を傾げており、なにより響が驚く理由となった発言をした未来も、不思議そうな顔をしている。
「だ?だ、だって、ナニがドコについてるのかなんて、そんな……」
「ぶふぉあッ!?お、おいおいおい響、女の子が気安くそんな事言うんじゃない!!」
顔を真っ赤にしながら、どんどん声が尻すぼみになっていく響。彼女の言わんとする事に気付いた翔が吹き出し、慌てて詰め寄る。
「ああ!ひょっとして立花、今俺達がナニについて話していると──「「兄弟必殺・ジャンクロスボンバーッ!!」」がはっ!?」
「紅介……君ってやつは……」
「今のは最低だよね……」
気付いた紅介の口は大野兄弟が一瞬で塞ぎ、純と恭一郎はその様子を見て呆れていた。
「ツイてるツイてない、確率のお話です。今日の授業の」
「まーたぼんやりしてたんでしょ?」
詩織が話題を確認し、弓美が呆れた顔で見つめる。
幸い男子以外で、響の聞き間違いに気付いている者はいなかった。
「あ、あはは、そうだったよね〜」
「……この頃、ずっとそんな感じ」
上の空な響の様子に、未来は不満げな表情で響を見つめる。
「……ごめん、色々あってさ……」
「……気にしているのか?」
「……少し、ね……」
響は昨日の夜、マリアに言われた事を思い出していた。
ff
エルフナインからの事情説明、そして発令所での報告を終えた後、二課の装者達は部屋に集まっていた。
調と切歌、セレナらは、ツェルトと共にトレーニングルームである。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ