第8節「エルフナイン」
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ンの遺産を持ってここまで来たのですッ!」
「ドヴェルグ=ダインの遺産?」
なっ……ドヴェルグ=ダインだとぉ!?
「ちょっと待て……ドヴェルグ=ダインといえば、確かあの『魔剣』を作ったドワーフ・ダインの事だ……。つまりそれは──北欧神話に登場する血濡れの魔剣、ダインスレイフなのか!?」
保護された時から、エルフナインがずっと大事そうに抱えていた匣。
匣の側面には網目のような文様が、そして模様の中心には、北欧のルーン文字が幾つも刻まれた、3つのダイヤルロックが設置されていた。
ルーンとは、北欧神話に登場する神秘の文字だ。文字の一つ一つに、それぞれ名前と意味があり、呪文の代わりに文字を刻むだけで、その文字に込められた力を発揮するらしい。
と言っても、実際には日常の中でも使われており、ルーン文字で記された書簡や荷札なども多数残されているらしい。
最近の研究によると、ラテン文字の普及によって旧来から使われていた文字であるルーン文字が廃れてしまい、その後、いかにもそれらが神秘的に感じられるようになった時代から、「呪術や儀式に使われた文字」だと言われるようになった……と言われている。
現代でも占い用のルーン石や、アクセサリーに刻むなどして用いられているが、
この匣に刻まれているのは……おそらく本物なのだろう。
錬金術師が目の前に現れ、錬金術をこの目で見た。何より、匣を調べた了子さんの解析によると、匣は異端技術によって多重封印されているらしい。
封印に使われているパズルを解かなければ、如何なる方法を以てしても破壊できないという結果がでたそうだ。
そこまで厳重な構造で封印されている、ということは、この匣の中にあるのは非常に強力、あるいは相当に危険な遺産だということ。
そしてそれらの情報と、遺産に付けられた名前から推察すれば、答えは自ずと見えてくる。
エルフナインは頷きながらダイヤルを合わせ、匣の中からルーンが刻まれた黒い欠片を取り出す。
「はい。アルカ・ノイズに……、錬金術師キャロルの力に対抗しうる聖遺物──『魔剣ダインスレイフ』の欠片です」
炭のような深い黒と、赤黒いルーンの羅列。
シンフォギアを破壊され、絶望する俺達に掲示された希望は、血を啜るまで元の鞘には収まらない、呪いの魔剣の力だった。
事情説明の後、装者達は発令所に集められていた。
スクリーンに映されているのは、エルフナインの各種身体データだ。
「エルフナインちゃんの検査結果です」
「念の為に彼女の……ええ、彼女のメディカルチェックを行ったところ……」
「身体機能や健康面に以上はなく、また、インプラントや、後催眠といった怪しいところは見られなかったのですが……」
「……ですが?」
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