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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百二十七話 お餅つきから帰ってその一

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                第三百二十七話  お餅つきから帰って
 僕は八条荘に戻ると香織さんと別れてまずは自室に戻った、そこで暫く過ごしてから書斎に入って本を読んだ。
 するとそこに畑中さんが来て僕に聞いてきた。
「何を読まれていますか」
「今は宮沢賢治を」
 丁度風の又三郎を読んでいて畑中さんにこう答えた。
「読ませてもらっています」
「宮沢賢治ですか」
「はい」
「いい本を読まれていますね」
「あの、何の作品かは」
 それはとだ、某は畑中さんに言葉を返した。
「まだ」
「宮沢賢治なら」
 この人の作品ならというのだ。
「どれもです」
「素晴らしいですか」
「どの小説も詩もです」
「素晴らしいから」
「今こう申し上げました」
 いい本をというのだ。
「左様です」
「そうだったんですね」
「そうです、よい小説はよい哲学書に匹敵します」
 畑中さんはこうも言った。
「ですから読まれて下さい」
「哲学書に負けていないですか」
「むしろおかしな哲学者や思想家の本はです」
 それはというのだ。
「読むだけ時間の無駄です」
「吉本隆明とかですね」
「はい、吉本隆明の本なぞ」
「それこそですね」
「読んでもです」
「時間の無駄ですね」
「左様です」
 そうだというのだ。
「世s元孝明の本を読むよりも」
「宮沢賢治ですね」
「この人の本を読む方がです」
 まさにというのだ。
「ためになります」
「そうですよね、カルト教団の教祖を絶賛するなんて」
 その吉本隆明がしたことだ。
「どう見てもインチキの」
「程度が知れていますね」
「はい」
 そうとしか思えない、正直言って。
「本当に」
「ですから」
「それで、ですね」
「読む価値は一切ないです」
「あんなのの本を読むよりも」
「宮沢賢治です、他の優れた小説家の本もです」
「読むべきですね」
「左様です」
 こう僕に話してくれた。
「それが義和様にとって大きな財産になります」
「逆に言えば吉本隆明の本は」
「読んでもです」
「何も得られないですか」
「下手な思想家や哲学者の本はです」
 実際にというのだ。
「読んでもです」
「何にもならないですね」
「難しい言葉を使っていますが」
「それだけですか」
「難しい言葉や文章はむしろです」
 そうしたものを読むと何か自分は頭がいい、そう思えるのは事実だろう。難しいことを達成するとよくやったとか自然に思える。
「中身がない」
「そうしたことも多いですね」
「ですから」
 それ故にというのだ。
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