暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第95話:迫るリミットと出撃の時
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――!?」
『どうやらのっぴきならない状況の様ですよ?』

 あれだけ痛めつけられたのにと、増援を送ってきた米国に対し表情を険しくしていると何処からともなくウェル博士の声が聞こえてきた。

『一つに繋がる事で、フロンティアのエネルギー状況が伝わってくる……これだけあれば、十分にいきり立つ――――!』

 何かをするつもりだ。そう察したナスターシャ教授は、ウェル博士を止めようと制止の声を上げた。

「早すぎます! ドクター!」
『さぁ、行けぇ!!』

 ナスターシャ教授の声も空しく、ウェル博士が声を発しそれに呼応してフロンティアが動き出した。

 フロンティア中心の石像から三本の光が放たれる。それは天に向かって伸びていく最中、纏まっていき一本の腕を作り出す。

 伸びる光の手は一直線に――――月へと突き進み、そして月を鷲掴む。

『どっこいしょぉぉぉぉっ!!』

 ウェル博士の気合の一声と共に、その手が月を引き寄せた。その力は月を引き寄せるだけに留まらず、月と繋がったフロンティア自体をも浮上させる。

「ドクターの欲望の暴走……手遅れになる前に、私の信じた異端技術で阻止してみせる――!!」

 最早一刻の猶予も無いと言わんばかりに、ナスターシャ教授は端末を忙しなく操作する。

 月の落下を阻止するのが先か、己が力尽きるのが先か…………ナスターシャ教授の目には決死の覚悟が浮かんでいた。




***




 異変は海中にまで及んでいた。
 突然の海流に、二課の仮設本部の潜水艦は大きく揺れ動いていた。東野村が必死に操縦桿を握るが、凄まじい海流は潜水艦の船体を弄ぶ。

「何事だッ!?」
「凄まじい海流が――!? 艦の操縦が利きません!?」
「何とかしろッ!」
「やってます!」
「司令! 広範囲に渡って海底が隆起! 我々の直下からも迫ってきます!」
「ッ!? 東野村、躱せ!!」
「無茶言わんでください!?」

 弦十郎達のやり取りを見ていた颯人は、そっと壁際によるとクリスと透に手招きをした。

「?」
「何だよペテン師! 今それどころじゃ――」

 文句を言いながらもクリスは透と共に颯人に近付いていく。2人が来ると、颯人は2人を抱えるようにして壁に貼り付いた。
 突然の彼の行動に、クリスが驚きの声を上げる。

「わっぷ!? いきなり何すんだッ!」
「ッ!?!?」

 この時、颯人も少し急いでいたのか少し乱暴に2人を引き寄せた。その所為でバランスを崩した透は、クリスの胸に顔をダイブさせてしまっていた。
 慌てて顔を上げようと動く透だったが、颯人が2人を壁に押え付けている為身動ぎしか出来ない。

「ひゃん!? ちょ、透!?」

 ここで漸く透が
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